映画『レヴェナント 蘇えりし者』【ネタバレ感想】レオ様の壮絶サバイバル劇!生きる勇気をもらえる傑作!
心も体も傷ついたレオ様が雪山をサバイブする壮絶な物語。生きる勇気をもらえる傑作。
85点。
では、いってみましょう。
作品情報
公開日:2016年4月22日
監督:アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ
原作:マイケル・パンク
脚本:マーク・L・エルフ
アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ
制作国:アメリカ
上映時間:157分
配給:20世紀フォックス映画
キャスト
レオナルド・ディカプリオ
トム・ハーディ
ドーナル・グリーソン
ウィル・ポールター
フォレスト・グッドラック
ポール・アンダーソン
クリストッフェル・ヨーネル
ジョシュア・バーシ
ルーカス・ハース
ブレンダン・フレッチャー
デュアン・ハワード
アーサー・レッドクラウド
グレイス・ドーブ
あらすじ
狩猟中に熊に襲われ、瀕死の重傷を負ったハンターのヒュー・グラス。狩猟チームメンバーのジョン・フィッツジェラルドは、そんなグラスを足手まといだと置き去りにし、反抗したグラスの息子も殺してしまう。グラスは、フィッツジェラルドへの復讐心だけを糧に、厳しい大自然の中を生き延びていく。
(出典元:映画.com)
映画『レヴェナント 蘇えりし者』ネタバレ感想
復讐劇ではなく、サバイバル劇
『レヴェナント:蘇えりし者』という作品名の通り、生き埋めにされた主人公グラス(レオナルド・ディカプリオ)がレヴェナント(=幽霊)の如く地上へ這い出て(蘇り)、息子を殺し自身を生き埋めにした男に復讐する、というお話。
思っていたのと違う展開ではあったものの、とっても面白かったです!
僕はグラスの復讐劇が物語の本筋だと思って観ていたんだけど(いや、間違いなく復讐劇ではあったんだけど)ちょっと違いましてね。本作はグラスが雪山を生きて生きて生き抜くというサバイバル劇だったんです。
僕の感覚的にはサバイバル90%、復讐5%、その他諸々5%。ほぼサバイバル。
で、グラス。雪山をサバイブする姿が壮絶でしてね。
足を引きずりながら雪山を歩いたり(本作を観た時の僕は足を骨折中だったために思いっきり感情移入!)、生きた魚を鷲掴みにしてそのままかぶりついたり、火を通さずに動物の生肉を食べたり、極め付けは死んだ馬の内臓を引きずり出して、馬を寝袋がわりにして寒さをしのぐというウルトラC(言い方が古い)を見せてくれたり…。実際に動物の腹の中で寒さをしのぐサバイバル術ってあるんですかね。あたたかそうではあるけど、臭いがキツそう。
全編通して寒々しくて痛々しくてね。なんて言うんでしょう、痛覚に訴えてくるシーンが多くて、グラスもしんどいでしょうけど観てるこっちもかなりしんどいです。
寒さにも痛みにも弱い僕は、息子が殺されて復讐に燃えていたとしても、果たしてここまでできるのか。ちょっと自信ない(苦笑)。「ごめん、お父さん無理だわ。お前のところに行くわ…」なんて言って早々に力つきる自信は、ある。
あまりにもグラスのサバイバル劇が壮絶かつ圧倒的で、ラストの復讐劇がオマケに感じてしまうという…。というか、そもそも息子を殺した男に復讐するプロットすらいらなかったんじゃないかと思えてしまうくらいの充実したサバイバル劇で。
不運にも仲間とはぐれてしまった男がひとりで雪山を生き抜き、下山して仲間や家族と再会を果たす、という感動ストーリーでもよかったんじゃないかと思ったり思わなかったり…。
まぁ、監督は復讐劇には力を入れてなかったんでしょうね。尺も短かったし、なんだかスッキリしなかったし。目的があれば、人間はどんな困難にも立ち向かえるし、生き抜くことができるという、人間の可能性や生命力を描きたかったということなんでしょう。
グラス(レオ様)vs クマ
凄かったのは、グラスvs野生のクマ。圧巻。
もうね、クマが本物にしか見えないんですよ。いや、本物のクマなのかな…いやいや、CGでしょ、と混乱するくらいにリアリティ溢れすぎるクマとグラスが格闘するんです。
格闘シーンをどアップにして、なんだかごちゃついてる映像に仕上げるわけではなく、アップの画もあり引きの画もあり、しっかりグラスvsクマになってるんですよ。というか、かなり一方的にグラスが傷つけられるんですが…。
かなりの長尺だったけど(恐ろしくて長く感じただけかもしれないけど)、見応えがあり素晴らしい格闘シーン(というかクマの襲撃シーン)でした。クマに出会ったら絶対にスタコラサッサと逃げないとダメですね。絶対に勝てないもん。
ハイレベルな作品
全編通して緊張感があり、寒々しくて痛々しくて、嘔吐しそうな描写に演技。そりゃあ、アカデミー賞獲りますわっていうくらいの素晴らしい演技を見せてくれたレオ様。
『インセプション』『ジャンゴ 繋がれざる者』と、最近レオ様が出演している作品を(たまたま)連続して観たんですが、本作が最もインパクトがありました。(『ジャンゴ』のレオ様も良かったけど!)
また、役者の素晴らしい演技だけでは素晴らしい作品は生まれないんだなと、本作を観てあらためて思いました。
美術や撮影、ロケーションなど、全てが融合されて初めて素晴らしい作品って生まれるんだなぁって。特に大自然を舞台にした作品って、そこにわざとらしさや嘘っぽさが見えてしまうと一気に冷めてしまう。いかにノンフィクションぽく見せられるかがポイントだと思うんです。そういった意味では、全てがハイレベルでホントに素晴らしい作品でした!
賞を獲ったから素晴らしいわけではないですが、本作はアカデミー賞主演男優賞(レオナルド・ディカプリオ)、監督賞(アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ)、撮影賞(エマニュエル・ロベツキ)を受賞しています。ちなみに、ですが。
生きる勇気
雪山をサバイブするグラスの姿は、復讐心からくるものとはいえ、生への執念、命の尊さを感じました。このコロナ禍、何があるかわからないじゃないですか。コロナに感染して重症化する可能性だってあるし、突然職を失う可能性もある。大げさではなくて、命を守り、家族を守り、何が何でも生き抜いてやろうという強い気持ちになったといいますか、生きる勇気をもらいましたよ。
この作品はオススメしたいです。グラスの生き様、得るものが多いと思います。
おしまい。
映画『レヴェナント 蘇えりし者』をもっと詳しく知りたい方へ
お前の感想じゃよくわからん!と、不満をお待ちの方に朗報。
映画紹介サイト『MIHOシネマ』さんで、映画『レヴェナント 蘇えりし者』が詳しく紹介されているので、本作をもっと詳しく知りたい方はこちらをどうぞ。