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映画『事故物件 恐い間取り』【ネタバレ感想】どうした⁉︎中田秀夫監督!残念すぎるクライマックス。

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40数年間生きてきた僕が思う最恐ホラー映画は間違いなく中田秀夫監督の『リング』(1998)なんですよ。貞子がテレビから這い出てくるシーンがあまりにもショッキングでしてね。『リング』以来、ジャパニーズホラーが苦手になったという、僕にとっては因縁の中田秀夫監督の新作ホラーですからね。そりゃあ、気を引き締めて観に行ったわけですよ。

 

50点。

 

では、いってみましょう。

 

 

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作品情報

公開日:2020年8月28日

監督:中田秀夫

原作:松原タニシ

脚本:ブラジリィー・アン・山田

制作国:日本

上映時間:111分

配給:松竹

 

 

キャスト

亀梨和也、奈緒、瀬戸康史、江口のりこ、MEGUMI、真魚、瀧川英次、木下ほうか、加藤諒、坂口涼太郎、中田クルミ、団長安田、クロちゃん、バービー、宇野祥平、高田純次、小手伸也、有野晋哉、濱口優

 

 

あらすじ

売れない芸人・山野ヤマメは「テレビに出してやるから事故物件に住んでみろ」と先輩から無茶ぶりされ、テレビ出演と家賃の安さから殺人事件が起きた物件に引っ越す。その部屋は一見普通の部屋だったが、部屋を撮影した映像には謎の白いものが映り込み、音声が乱れるなどといった現象が起こった。ヤマメの出演した番組は盛り上がり、ヤマメは新たなネタを求めて事故物件を転々とする。住む部屋、住む部屋でさまざまな怪奇現象に遭遇したヤマメは「事故物件住みます芸人」として大ブレークするが……。

(出典元:映画.com)

 

 

映画『事故物件  恐い間取り』ネタバレ感想

残念だったクライマックス

 

売れないお笑い芸人・山野ヤマメ(亀梨和也)がTV番組の企画で事故物件に移り住んで、その場所場所で起きる怪奇現象に巻き込まれる…というオムニバス形式の作品なんです。少しテレビ的だなぁなんて感じたものの、それぞれの部屋で起きた事故にまつわる怪奇現象が起きるので、バラエティに富んだ恐怖を味わえるという点では非常に満足度が高かったです。

 

でもね、ひと物件ごとに違った恐怖を味わえるというバラエティさが裏目に出てしまって、恐怖の積み重ねが無いといいますか、ひと物件ごとに恐怖がリセットされちゃうんですよね。畳み掛ける恐怖が無いんですよ。まぁ、物語の構造的に致し方ないところはあると思うんだけど、恐怖の余韻を感じられなかったのは残念なところではありました。僕はビビリだから、ひと物件が終わるごとにひと息つけて良かったんだけど、ガッツリと本格的なホラーを楽しみたいという方にとっては、物足りないかもしれないですね。

 

本編でヤマメは4軒の事故物件に住むんです。つまり最後の4軒目がクライマックスなわけですよ。4軒目が最恐であるべきなんですよ。がしかし!がしかし!4軒目がいちばん怖くなかったという大惨事に…。怪しげな不動産屋の横水さん(江口のりこ)がお祓い済みの図面を神棚から出してきたり、霊感のある梓ちゃん(奈緒)もあそこは危険だからやめとけなんて言ったり、これから起きるであろう凄まじい恐怖を煽るわけですよ。覚悟しておけよと前振ったわけですよ。なのにいったいどうしたんでしょうか、中田秀夫監督は。

 

何なんですか、死神みたいなヴィジュアルの幽霊は。ひどい、ひどすぎる(泣)。作り物感がハンパない。事故物件にまつわる物語なんだから、フィクションとノンフィクションの間を描いて欲しいわけですよ。もしかしたらあり得るのかも感を出して欲しいわけですよ。過去の怨念の塊のような貞子テイストが欲しいわけですよ。スクリーンではワーワーギャーギャーやって恐怖を煽ってましたけどもうね、スーッと冷めていく自分がわかりました。昨年観た『ドラゴンクエスト ユア・ストーリー』のクライマックスに匹敵するほどのガッカリ具合いでした。

 

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奈緒さんと江口のりこさん

 

奈緒さんはホントに演技がうまいですね。幽霊に怯える目の動き、表情が真に迫っていて、ダイレクトに恐怖が伝わってくるんですよね。目が良い。テレビドラマ『あなたの番です』では、ちょっと変態チックな変わった女性を演じていたので、偉そうなことを言わせてもらうのなら、女優さんとして上手いのかどうなのか懐疑的ではあったんです。未知数というのかな。でも本作を観て、こりゃあ演技の上手な素敵な女優さんだなと思いました。偉そうに疑ってごめんなさい(平謝り)。応援します。

 

そしてもうひとり素晴らしかったのは江口のりこさんですよ。不動産屋の社員なんだけど霊能力者という謎の女性。めちゃくちゃ胡散臭いの(笑)。もうね、癖の強い女性を演らせたら日本一じゃないでしょうか。『半沢直樹』では国土交通大臣の白井亜希子役を演じられてますが、この女性も癖強めだし。もはや名バイプレイヤーですよね。江口のりこさんが登場したら絶対に面白くなりそうな感じがしますもん。

 

 

 

終わり悪ければすべて悪い

 

事故物件4軒目のクライマックスまでは良かったんですよ。ちゃんとホラーしていたんですよ。終わり良ければすべて良し、って言葉があるけど、その逆でしたわ。終わり悪ければすべて悪い。そんな作品でした。

 

ちなみにタイトルに『怖い間取り』って必要だったのかしら。この間取りはヤバイんだぜ!っていう何かがあるのならまだしも、間取りに関しては特に触れられていなかったような。間取り、関係ないよな…。

 

う〜ん、惜しい作品でした。友だち同士で観に行って盛り上がるにはいい作品かもしれません。中田秀夫監督には次回作で挽回して欲しいです。

 

おしまい。

 

 

 

映画『事故物件  恐い間取り』をもっと詳しく知りたい方へ

 

お前の感想じゃよくわからん!と、不満をお待ちの方に朗報。

 

映画紹介サイト『MIHOシネマ』さんで、映画『事故物件  恐い間取り』が詳しく紹介されているので、本作をもっと詳しく知りたい方はこちらをどうぞ。

 

mihocinema.com