秋山ゆずきちゃんも出演！『カメラを止めるな！』の上田慎一郎監督『上田慎一郎ショートムービーコレクション』の感想＆考察！
大大大ブームを起こした映画『カメラを止めるな！』の上田慎一郎監督のオムニバス短編映画プログラム『上田慎一郎ショートムービーコレクション』を見てきました！
短編映画4本が上映されるんですが、とっても面白かったですよ！笑いあり感動ありの4本の短編映画をなんと1,000円で見られるんですよ。お得過ぎでした。
彼女の告白ランキング（2014年）
あらすじ
ある日、男は彼女にプロポーズする。すんなり承諾を貰えると思ってい た男だが、彼女に「告白したい事が17個ある」と告げられる。果たして男は彼女の告白を全て受け止め、結婚を決める事が出来るのか!?
（出典元：『上田慎一郎ショートムービーコレクション』オフィシャルサイト）
キャスト
中山雄介 榎並夕起 橋本昭博 鐘築健二 山口友和 細井学 石訳智之 坂川良
主題歌
オトホリック 「パブロフ」
テレビで見た上田慎一郎監督のイメージだと、こういう癖の強い映画を撮りそうだなって思ってました。（笑）
プロポーズした次の日に、彼女に隠し事を告白されるんです。そりゃあ、人間生きてれば隠し事の一つや二つありますよね。うん。
が、その隠し事はなんと17個！多過ぎ…そして17個って中途半端。（笑）
「実は私…◯◯なのっ！ごめんなさい！(T_T)」みたいに普通に告白されれば、内容によっては許せますよね。
でもね、彼女はボードを用意して、ランキング形式で隠し事を告白しようとします。（テレビでよくありますよね。ボードに貼ってある紙をめくると答えが出てくるやつ）さらに、そのランキングを発表するための司会進行役が登場します。
もう、なんのこっちゃ？でしょ？（笑）
告白は衝撃度が低い17位から発表されていきます。ちなみに17位が【浮気をしていました】です。17位だけどなかなかパンチ効いてます。
その他のランキング入りした告白は、実は整形してたり、実は日本人じゃなかったり、実は浮気してたり、実は浮気してたり…（浮気多すぎw）
でね、いよいよ1位が発表されるんです。1位の告白は…あぁ、こういうオチねって感じなんです。一瞬ほっこりさせるオチなんです。ここで終われば、ふざけてるけど丸く収まる感じでしたが…大オチが待ってるんです！これはまさかの展開。
あるカップルのワンルームでのお話から一気に宇宙規模のお話にスケールアップします！もうね、おじさんもビックリの展開。あとは見てのお楽しみってことで。
感覚的には『世にも奇妙な物語』に近いショートムービーでした。
ナポリタン（2016年）
あらすじ
人の話を聴かない会社員の川上は、ある日突然、他人の言葉が「ナポリタン」としか聴こえなくなってしまう……。
（出典元：『上田慎一郎ショートムービーコレクション』オフィシャルサイト）
キャスト
福島龍一 秋山ゆずき 牟田浩二 森恵美 井関友香 川口貴弘 松本卓也 細井学 紺野ふくた 倉田奈純 坂川良 原真一 坂本幸成
主題歌
橋本晃洋 「ナポリタン」
『カメラを止めるな！』の秋山ゆずきさん登場です。
なんの前触れもなく、突然、他人の言葉が「ナポリタン」に聴こえるようになったわけではないんです。ナポリタンの怨念というか、ナポリタンの逆襲というか。
ある日、恋人が夕飯にナポリタンを作って、主人公・川上の帰りを待っていたんです。が、仕事帰りに飲んで帰ってきちゃったんですね。恋人は怒り、その食べなかったナポリタンは冷蔵庫に入れられて…。
その日の夜中、皿から1本のナポリタンがニュルニュルっと冷蔵庫から出てきて、寝ている川上の耳にニュルニュルっと入るんです（ちょっと気持ち悪いw）。すると、朝起きたら他人の言葉が「ナポリタン」にしか聴こえなくなってしまうという。
要はナポリタンに寄生されたんです。
「おはようございます！」が「ナポリタン！」に聴こえるんです。
「ナポ、ナポナポナポ、ナポリタン？」
「ナポナポナポナポリタン」
「ナポナポ？」
「ナポリタン！」
こんなセリフがほとんどです。シュールです。（笑）
そんな状態で恋人の両親に挨拶に行く日を迎えてしまいます。でも他人の言葉は全部「ナポリタン」に聴こえてしまいます。恋人の厳格なお父さんの言葉も「ナポリタン」に聴こえてしまいます…。どうする川上！その場を凌げるのか川上！！
恋人に「今日は飲んで帰るから晩ご飯いらないよー」って1本電話を入れておけばこんな悲劇（喜劇？）は起こらなかったのに…。皆さんも飲んで帰るときは恋人や奥様に1本の電話入れましょうね。
テイク8（2015年）
あらすじ
自主映画監督の隆夫は、恋人の茜を花嫁役に「結婚」をテーマにした新作を撮影中。残すは１シーンであったが、花嫁の父役が急遽来れなくなる。やむをえず、見学に来ていた茜の本当の父、徹が代役を務める事になり…。
（出典元：『上田慎一郎ショートムービーコレクション』オフィシャルサイト）
キャスト
芹澤興人 山本真由美 牟田浩二 山口友和 細川佳央 福島龍一 北井敏浩 曽我真臣
主題歌
オトホリック 「それだけ」
自主映画監督の隆夫と花嫁役で隆夫の恋人の茜と、父親役（代役）で茜の本当の父親の徹の3人の緊張感のある微妙な空気がとっても面白いんです。
徹は新郎役の役者と茜の本当の恋人で、うだつの上がらない自主映画監督・隆夫をダブらせてしまうんです。現実と架空（映画）の区別がつかなくなって、新郎役に対して「君はこの先（仕事は）どうするんだ？」みたいな事を思わず言ってしまうんですね。台本とは違うセリフ（本音）を言ってしまってNGを重ねてしまうんです。そして、テイク7までいってしまいます。
一方恋人の隆夫は、新郎役の役者を通して自分が言われてる感じになってしまうんです。隆夫役は芹澤興人（たてと）さん。もうね、個人的には困り顔をさせたら日本で5本いや、3本の指に入るんじゃないかってくらい素晴らしい困り顔をする役者さんです。
どんな顔の役者さんだって？仮面ライダービルドで北都三羽ガラスの青羽役を演じていた役者さんといえば皆さん、わかりますよね？
ちょっと脱線しました…。
そして、テイク7までいって、なんやかんやしてるうちに、新郎役の役者がバイトがあるので帰ってしまいます。ラスト1シーンなのに新郎役がいない！さぁ、テイク8はどうなるのか！？
父親の徹と娘の茜がちょっと言い合いになる場面があるんですね。父親としては娘の幸せを願いますよね。でも娘は幸せになるために恋人の隆夫と結婚したいわけじゃない！って言うんです（言い回しは少し違うかもしれませんが…）。まあ、確かに結婚って幸せになるためにするわけじゃなくて、ずっと一緒にいたいから結婚するんだよな…。この場面は娘を持つ父親として、めっちゃ考えさせられましたね。いいシーンでした。
Last Wedding Dress（2014年）
あらすじ
上田貞夫（71）の妻 上田コトミ（70）は余命が近い。貞夫がコトミに「最後にしたいことはあるか？」と聞くと、コトミは「最後にウェディングドレスが着たい」と答える。二人は結婚当時、金がなく結婚式を挙げられなかったのだ。貞夫はコトミが死ぬ前にウェディングドレスを着せてやろうと奔走し始める…。
（出典元：『上田慎一郎ショートムービーコレクション』オフィシャルサイト）
キャスト
リーマン・F・近藤 惣角美榮子 甲斐照康 兼平由佳理 福田英史 佐藤もとむ 青海衣央里 牟田浩二 川和昇 山本真由美 山口友和 井丸かつひこ 遠藤雅幸 大野由加里 中山雄介 高山都 小澤美優 石澤美和 前野朋哉
主題歌
オトホリック 「Last Wedding Dress」
ショートムービーコレクション最後の作品。素晴らしい作品でした。
前野朋哉さんが出演してます。若きバイプレイヤー。僕、結構好きな俳優さんです。
auの三太郎のCMで一寸法師＆彦星役の俳優さんです。蛭子能収さん似の俳優さんです。（笑）
あらすじを読むだけで感動する物語なんだろうなぁと思いますよね。
はい、その通り感動します。泣けます。
感動もありますが、『カメラを止めるな！』に近いドタバタ劇でもあるんです。『カメラを止めるな！』原点はこのショートムービーの様な気がします。
余命わずかな愛する妻・コトミのために、内緒でウェディングドレスを着させてあげようと一人で奔走する夫・貞夫。それに気づく家族。その家族たちは貞夫に内緒で動くんです。Last Wedding Dressを着させるために…。
夫婦愛、そして家族愛炸裂です。いい映画見たなぁって素直に思いました。
ちなみに、最後の大団円のシーンに上田慎一郎監督ご本人もちゃっかり出演してます。（笑）
まとめ
1本目『彼女の告白ランキング』で度肝を抜かれ、2本目『ナポリタン』で困惑させられ、3本目『テイク8』で温かい気持ちになり、4本目『Last Wedding Dress』で泣かされるという。これが上田慎一郎ワールドなんでしょうね。
形や表現は違えど上田慎一郎監督は『カメラを止めるな！』も含めて家族愛をテーマとして映画を撮ってるような気がします。最終的にはほっこりするような。僕はこういう映画は大好きですね。
最後にショートムービー4本中3本の主題歌を歌っているオトホリック。良い意味でシンプルな曲調で、聴きやすくてちょっと切ない感じでオススメのユニットです！
『彼女の告白ランキング』の主題歌「パブロフ」を貼っておきますね。
以上、『上田慎一郎ショートムービーコレクション』の感想＆考察でした！
最後まで読んでいただきありがとうございました！
