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映画『ボヘミアン・ラプソディ』【ネタバレ感想】クイーンのボーカル、フレディ・マーキュリーの孤独と性と死と。

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映画『ボヘミアン・ラプソディ』を今さらながら(公開日は2018年11月9日)観てきました!

 

というのも、そこまでクイーンに、フレディ・マーキュリーに興味がなかったというか…いや、カッコイイ曲がいっぱいあるのは知ってますよ。『ボヘミアン・ラプソディ』『伝説のチャンピオン』『ウィ・ウィル・ロック・ユー』『レディオ ガ ガ』…僕の大好きなデヴィッド・ボウイとの共作『アンダー・プレッシャー』なんてごっつカッコイイし。

 

ここまで5ヶ月以上ロングラン上映されているし、アカデミー賞も4部門受賞してるし(フレディ・マーキュリー役のラミ・マレックは主演男優賞!)、映画が良かったからサントラ買っちゃったよ!っていう知人もいるし…とりあえず観てみようと(若干後ろ向き発言)。

 

 

 

…泣けた。

 

…フレディの生き様に泣けた。

 

 

 

では、いってみましょう。

 

 

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作品情報

製作年:2018年11月9日

製作国:アメリカ

配給:20世紀フォックス映画

監督:ブライアン・シンガー

製作:グレアム・キング

   ジム・ビーチ

製作総指揮:アーノン・ミルチャン

      デニス・オサリバン

      ジャスティン・ヘイザ

      デクスター・フレッチャー

      ジェーン・ローゼンタール

音楽総指揮:ブライアン・メイ

      ロジャー・テイラー

上映時間:135分

 

 

キャスト

フレディ・マーキュリー:ラミ・マレック

メアリー・オースティン:ルーシー・ボーイントン

ブライアン・メイ:グウィリム・リー

ロジャー・テイラー:ベン・ハーディー

ジョン・ディーコン:ジョセフ・マッゼロ 

ジョン・リード:エイダン・ギレン

ポール・プレンター:アレン・リーチ

ジム・ビーチ:トム・ホランダー

レイ・フォスター:マイク・マイヤーズ

ジム・ハットン・アーロン・マカスカー

デヴィッド:マックス・ベネット

 

   

あらすじ

レディ・ガガが “史上最高の天才エンターテイナー” と讃え、ケイティー・ペリーが “今も最も影響を受けている” と語るミュージシャン。それが伝説のバンド “クイーン” のリード・ヴォーカル、フレディ・マーキュリーだ。その名を知らずとも、『ボヘミアン・ラプソディ』、『伝説のチャンピオン』、『ウィ・ウィル・ロック・ユー』といった名曲をほんのワンフレーズ耳にしただけで、たちまち誰もが心浮き立ち、歌い出さずにはいられない。いかにしてフレディは、世間の常識や既成概念に逆らい、従来の音楽を打ち破り、世界中から愛されるエンターテイナーとなったのか?なぜ愛と孤独、プレッシャーに引き裂かれたのか?そして、崩壊寸前に陥ったバンドを立て直し、永遠のレガシーを確立できた理由とは……? 20世紀最大のチャリティコンサート “ライブ・エイド” で、音楽史に残る史上最高のパフォーマンスを披露した彼らの華やかな活躍の裏には、誰も知らない物語があった……。

(出典元:Movie Walker)

 

 

映画『ボヘミアン・ラプソディー』の見どころ【ネタバレ】

とにかく曲がカッコイイ!

もちろん全編クイーンの楽曲が流れます。クイーンのファンでなくても知ってる曲満載で、ノリノリで映画を観られるというライブ感がたまらなく良かったです。

 

僕はクイーンについて、詳しいわけでは無いですが、知ってる曲ばかりでホント気持ち良かった!次はどの曲が流れるのかワクワクして観てました。

 

そして、曲を作る過程、名曲が出来上がっていく様も観ることができて(どこまでがフィクションかわかりませんが)面白かったです。『ボヘミアン・ラプソディ』の高音「ガリレオ!」のレコーディングシーンは微笑ましくて良かったです(ロジャー・テイラー頑張りました!)。

 

僕は映画を観る上でサントラを重視しているので、もうね…満点。サントラは100点満点。

 

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ちなみに僕の観た『ボヘミアン・ラプソディ』は【クライマックスのライブシーンに重点をおいた大音量のサウンド】になっている極上音響上映だったので、よりライブ感を味わえました!音は大事です。

 

 

 

フレディ・マーキュリーの天才ぶり

フレディがブライアン・メイとロジャー・テイラーのバンドに加入、そして一気にスターダムへとのし上がる序盤はとにかくトントン拍子で物語は進んでいきます。この映画はクイーンのサクセスストーリーを描いているわけではない(と思う)ので、その辺はサラッといったなぁ…っていう印象でした。

 

まぁ、そのサラッと感が、逆にヒット曲を連発するフレディの才能を、天才っぷりを際立たせた感じですね。

 

 

 

フレディ・マーキュリーの告白〜ゲイ編〜

フレディにはメアリーという恋人がいまして。この子がまた良い子で可愛くてフレディの良き理解者で、そして婚約までするんですね。

 

でもね、ある時フレディはメアリーに自分が「バイセクシャル」である事をカミングアウトします。するとメアリーは「あなたはゲイよ」とビシッと言うんです。ビシッと。

 

恐らくフレディはメアリー(女性)も好きだけど男性も好きなんだ…って伝えたいがために「バイセクシャル」という言葉を使ったんだと思うんです。あるいはゲイである自分を認めたく無かったのか。

 

でもメアリーは夜の生活が無かったからなのかわからないですが、気付いていたんでしょうね、フレディはゲイだと。心ここに在らずだと。

 

僕は同性を(性的に)好きになったことがないので、正直ゲイの気持ちはわかりません。けど、好きになってしまうという自分では抑えられない気持ちや感情はわかる気がします。周りに何を言われようが、どう見られようが、好きになっちゃったんだから仕方ないじゃないっていう。

 

ゲイだけどフレディは女性のメアリーも愛しているんです。愛しているんです。けど、メアリーにとっては複雑でしょ。私はいったい何なのよ!って感じですよね。引きつつあるメアリー。距離ができます。そりゃそうだ。

 

この辺りからフレディの孤独感が浮き彫りになっていきます。

 

 

 

フレディ・マーキュリーの孤独

カミングアウトしてからメアリーと距離が出来てしまい、その寂しさを埋めるかのように曲を作り、恋人のポール(こいつがマジで最悪)とパーティーを開いたりしてバランスを取っていた(と思われる)フレディ。

 

当時は今と違ってゲイであることを公表しづらい空気感だったんでしょうね(今もか?)。天才ってだけでも孤独になりそうなのに、さらにセクシャリティに関しても誰にも相談出来ずに孤独だったんでしょうね。

 

ブライアン・メイたちメンバーに対して「お前たちには恋人がいるけど、俺にはいないっ!」みたいな事を言って自分の気持ちを爆発させてましたからね。劣等感を抱いていたんでしょうね。

 

フレディの孤独や鬱屈した気持ちなど、原因は色々あると思いますが、とうとうクイーンは活動休止に至ってしまい、フレディはソロ活動に。

 

フレディの孤独さが浮き彫りになってきて、とっても切なくて悲しくて…。フレディ自身もうまく感情をコントロール出来ていないという感じ。

 

そんなフレディをラミ・マレックがビシッと演じてるんです。なんとも言えない物憂げな寂しそうな表情がたまりません。抜群。

 

 

 

フレディ・マーキュリーの告白〜HIV感染編〜

メアリーに、一緒にいるクズ野郎ポールはフレディを大事に思ってない、クズ野郎ポールはフレディを愛していないとビシッと言われた(クズ野郎とは言ってないけど)フレディはクズ野郎ポールと決別して、クイーンのバンドメンバーの元に戻ります。

 

そして『ライブ・エイド』でのクイーン復活に向けて練習に熱が入るメンバーたち。

 

でもね、ここでフレディはバンドメンバーに、自分がHIVに感染しているという衝撃告白をします…。

 

僕もフレディは何の病気で亡くなったのか知ってましたが、このタイミングで感染かいっ!このタイミングで告白かいっ!って感じで悲劇すぎる展開にもう釘付け。

 

事実とはいえ、やはりショッキングなシーンでした…。

 

 

 

大迫力の『ライブ・エイド』

今作の最大の見せ場『ライブ・エイド』(アフリカ難民救済を目的としたチャリティーコンサート)での大迫力のライブシーン!これは圧巻でした。観客の多さに圧倒され(みんなエキストラの方なのかな?それとも実際の映像を組み合わせたのかな?)、フレディのパフォーマンスに圧倒されました。

 

HIVに感染…不治の病に侵されているという背景もあり、生命力溢れるパフォーマンスというか、全身全霊のパフォーマンスに感動しました!

 

ラミ・マレックがフレディ・マーキュリーに見えましたもん、ホントに。必見。


20分ほどのライブシーン。いつまでも観ていたいと思わせるほどのライブシーン。え?もう終わり?って物足りなさを感じさせるほどの素晴らしいライブシーンでした。

 

これが1985年7月13日に行われた『ライブ・エイド』の実際の映像。

 


Queen - Live at LIVE AID 1985/07/13

  

再現性ハンパないです。そのまま。

 

 

 

まとめ

間違いなくマイベスト映画の5本の指に入る傑作でした!

 

天才であるが故の孤独。

ゲイであるが故の孤独。

 

外野の人間からしたら華やかでスターな男に見えたフレディですが、本当のフレディは劣等感で苦しんでいたんだろうな…孤独だったんだろうな…泣ける。

 

フレディが亡くなるまで親友だったメアリーの存在、ブライアン・メイやロジャー・テイラーやジョン・ディーコンらバンドメンバーの存在、フレディを孤独から救った彼らの描かれ方も良かったです。フレディを本当に愛していたんだなと。

 

特にメアリーの存在感は際立ってましたね。フレディが亡くなるまで親友で良き理解者だったメアリー。彼女がいなかったらフレディは孤独のままだっただろうし、クイーンのフレディは存在しなかったんじゃないかな。

 

そんなフレディを愛する周りの人間の助けもあり、孤独や劣等感を突破して作られた名曲の数々。感動しましたよ。最高じゃないですか!

 

今作『ボヘミアン・ラプソディ』は事実を元に作られたフィクションなんでしょうけど、そんな事は関係ない。フレディ・マーキュリーの生き様が描かれた素晴らしい作品でした!

 

『ライブ・エイド』のシーンを観て思わず涙してしまったことは内緒です。

 

最後に。

2016年に亡くなったデヴィッド・ボウイ。恐らく天国でフレディ・マーキュリーと歌っているんだろうな。『アンダー・プレッシャー』貼っておきますね。

 


Queen & David Bowie - Under Pressure (Classic Queen Mix)

 

 

 

それでは、最後まで読んでいただきありがとうございました!

 

ではまた。