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映画『シティーハンター THE MOVIE 史上最香のミッション』【ネタバレ感想】コメディー色が強いフランス版シティーハンターは大傑作!続編希望!

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映画『シティーハンター THE MOVIE 史上最香のミッション』を観てきました!

 

フランス版シティーハンター…侮ることなかれ。個人的には、2019年に観た新作映画の中で5本の指に入るほどの傑作でした!いや、大傑作!

 

シティーハンター好きのあなた…必ず観て!

 

では、いってみましょう。

 

 

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作品情報

公開日:2019年11月29日

監督:フィリップ・ラショー

製作:クリストフ・セルヴォーニ

   マーク・フィスズマン

原作:北条司

脚本:フィリップ・ラショー

   ジュリアン・アルッティ

   ピエール・デュダン

   ピエール・ラショー

制作国:フランス

上映時間:93分

配給:アルバトロス・フィルム

 

 

キャスト

フィリップ・ラショー:リョウ(ニッキー・ラーソン)

エロディ・フォンタン:カオリ(ローラ・マルコーニ)

タレク・ブダリ:パンチョ

ジュリアン・アルッティ:ジルベール・スキッピー

ディディエ・ブルドン:ドミニク・ルテリエ

カメル・ゴンフー:ファルコン(マンモス)

ラファエル・ペルソナ:ヒデユキ(トニー・マルコーニ)

ソフィー・モーゼル:サエコ(エレーヌ)

パメラ・アンダーソン:ジェシカ・フォックス

 

 

キャスト(吹き替え)

山寺宏一:リョウ

沢城みゆき:カオリ

玄田哲章:ファルコン

田中秀幸:ヒデユキ

一龍斎春水:サエコ

浪川大輔:パンチョ

多田野曜平:ジルベール・スキッピー

土師孝也:ドミニク・ルテリエ

恒松あゆみ

三上哲

伊倉一恵

神谷明

 

 

予告

 


『シティーハンター THE MOVIE 史上最香のミッション』11/29(金)公開

 

  

あらすじ

ボディガードや探偵を請け負う凄腕のスイーパー(始末屋)=「シティーハンター」ことリョウは、相棒のカオリとともに日々さまざま依頼を請け負っていた。そんな2人のもとにある日、その香りをかいだ者を虜にする「キューピッドの香水」の奪回という危険な任務が持ち込まれる。香水が悪用されれば世界は危機に陥ることは必至で、48時間というタイムリミットのなか、2人は香水を取り戻すために奔走する。

(出典元:映画.com)

 

 

映画『シティーハンター THE MOVIE 史上最香のミッション』ネタバレ感想

心を鷲掴みにされた冒頭5分

 

シティーハンターを週刊少年ジャンプで読んでいたリアタイおじさんとしては、今年2019年2月に公開された20年ぶりの新作アニメ『劇場版シティーハンター  新宿プライベート・アイズ』に続いて、再び新作を見られるとは何とも感慨深くて、涙ちょちょぎれそうで(言い方が古いのは気にしないで!)。

 

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で、本作はフランス版で実写版で

 

日本の大人気漫画の面白さをフランス人が理解して、さらに実写映像化するってかなりハードルが高いはずで。正直、期待より不安の方が上回った精神状態で観に行ったんだけど、冒頭の5分ほどで心を掴まれ、不安が杞憂に終わるという。ほぼ完璧にシティーハンターでした(マジ最高!)。監督&主演を務めたフィリップ・ラショーって何者?、やるじゃねぇかって感じで。(2016年に日本劇場公開された『世界の果てまでヒャッハー!』というコメディー作品でも、本作と同じく監督&主演をされたらしいです。僕はまだ未見なのでこりゃ要チェックですな。)

 

で、僕の心をグワシと鷲掴みにした冒頭。

 

手術台の上で麻酔をかけられたモッコリーさん(名前がもう下ネタw)が眠る手術室になだれ込んできての冴羽リョウと海坊主のバトルシーン

 

リョウの再現度はそこそこ高いし(言い方が微妙)、海坊主の再現度なんて原作の世界から飛び出してきたかのような瓜二つ度で(この再現度は必見!)。シティーハンターを代表するこの2人のバトルシーンは迫力があるし緊迫感もあるし、なによりワクワクするわけですよ。

 

でもそれだけじゃないのがシティーハンター。そこに下ネタを放り込んでくるわけですよ。

 

戦っている最中に眠っているモッコリーさんに掛けてあった布が剥ぎ取られて、モッコリーさん全裸になっちゃう(笑)。当然下半身むき出し(笑)。モッコリーさんのモッコリーがむき出し(笑)

 

そしてそんな全裸のモッコリーさんが乗っている手術台を挟んでのリョウと海坊主の熱いバトルが繰り広げられるんです。白熱のガチバトルなんだけど、モッコリーさんの股間の上に置かれた拳銃を奪いあったりしてモッコリーさんのモッコリーが(2度目)気になって肝心のアクションが集中して見られないという。下ネタ&アクションのさじ加減が抜群最高

 

フランス版シティーハンターに懐疑的だった僕の心をグワシと鷲掴みにして「あ、このシティーハンター、好きかも」と思わせてくれた“らしい”シーンにシティーハンター愛を感じた冒頭。

 

 

 

ざっくりとあらすじ

 

ここで、ざっくりとあらすじを。

 

依頼人はドミニク・ルテリエというおじさん→香りを嗅いだ相手を虜にしてしまう惚れ薬<キューピッドの香水>を悪党共から守って欲しいという依頼→香水の効果を疑っているリョウ→ルテリエに吹きかけた香水の匂いをリョウが嗅ぐ→リョウがルテリエに惚れる→<キューピッドの香水>(と解毒剤)が入ったケースを海坊主に奪われる→<キューピッドの香水>の解毒剤を48時間以内に嗅がないと香水の効果は一生続いてしまう→ヤバイ!早く取り返さないと!

 

<キューピッドの香水>を奪還するミッションが始まるという絶対に面白くなりそうな展開。

 

 

 

男に惚れるリョウ

 

新宿の種馬という異名を持つほどの女好きのリョウが男に惚れてしまう、という原作にもありそうな展開がとっても良かったです。過去にリョウのモッコリーがモッコリーしなくなっちゃった回があったと思うけど、それに匹敵するほどのピンチエピソードじゃないかと。

 

気付いたらルテリエの手を握っていたり、車のギアだと思ったらルテリエのナニを握っていたり(描写は無し)、ルテリアとの幸せな日々を想像しちゃったり、ルテリアについつい電話をかけちゃったり、そして嫉妬しちゃったり…と、小ネタがちょこちょこ放り込まれて飽きなくて笑えて。

 

男に惚れちゃうリョウはそれはそれでかなり面白いんだけど、女好きのリョウらしさが失われてしまってやや物足りなさも感じたり感じなかったり。

 

入浴中の美女を覗こうとしたり、美女の眠っているベッドに裸でダイブしたり、冴子に1発を迫ったり…と、そんなリョウの定番シーンが無いんです(どんな定番だよ)。特に冴子との絡みが少なかったのが残念だったかな…冴子といったら1発だから(←最低な文章)。

 

新宿の種馬っぷりがあまり見られなくて残念だったけど、カッコ良いリョウは存分に見られて良かったです。

 

特にガンアクションは抜群!一撃で標的を撃ち抜くリョウの姿はカッコ良いし、リョウの代名詞<ワンホールショット>は炸裂するし(これは痺れる!)、圧巻だったのはクライマックスでのリョウとカオリの息ぴったりなガンアクション。360度どこからでも対応できるように、お互いが背中を預けて銃を撃ちまくるリョウとカオリのコンビネーションがスタイリッシュで見事で。

 

スケベでだらしないリョウにメガトンハンマーをお見舞いするカオリ、といった夫婦漫才チックな2人がいざという時に見せる、真剣な表情や息の合ったコンビネーションがとてつもないギャップを生んで。シティーハンターのカッコ良さを見せつけてくれたガンアクションシーンには痺れましたよ。

 

 

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リョウとカオリのロマンス

 

リョウとカオリのロマンスってシティーハンターの魅力のひとつだと思うんだけど、これがまた素敵に描かれていてとっても良いんです。

 

大好きなリョウに勇気を出してちょこっとアプローチしてみるんだけど全然相手にされないカオリ。カオリのことを大好きなはずなのに素っ気無い態度をとるリョウ。お互い好き合ってるはずなのに素直になれない2人にムズムズするっていうね。

 

で、今回。カオリが禁断の惚れ薬<キューピッドの香水>をリョウに使っちゃうの。

 

使おうか、使わないでおこうか…カオリの葛藤がこっちにも伝わってきてドキドキするんだこれが。で、使っちゃう。我慢できずに香水を使っちゃう。カオリだってそんな香水の力に頼らずにリョウを振り向かせたいはずなんだけど使っちゃう。ずるいと言えばずるいんだけど、カオリのリョウへの想いや愛情の大きさ、深さがめちゃくちゃ伝わってきてちょっと切なくなっちゃう。

 

でもね、リョウには<キューピッドの香水>の効果が出ない。ルテリエには惚れたけどなぜかカオリには惚れない。リョウのことだからカオリが香水を使うことを予測して鼻栓でもしてるのかと思いきや、特に何もしてないけど効果が出ない…。

 

これには素敵な理由があるんです。とっても素敵な理由なので、ここは本編を観て確認して欲しいっすね。ここはネタバレ無しで。

 

 

 

元相棒・槇村

 

リョウの元相棒で、カオリの兄・槇村の死が描かれたのもイイ!フィリップ・ラショー監督イイ!

 

シティーハンターをシティーハンターらしく映像化するのなら、槇村のくだりを入れなくても成り立つとは思うんです。リョウのどスケベっぷりや凄腕スイーパーっぷり、カオリのメガトンハンマーにリョウとのロマンス、そしてホロッと感動させるラストを描けばそれなりにシティーハンターになるのかな、とは思う(ちょっと乱暴な文章)。

 

でも、シティーハンターの世界やリョウという人間に深みを持たせているのは槇村の死であることは間違いなくて。

 

リョウのどことなく影のあるところは、槇村の死を今でも心のどこかで引きずってるからで。で、その槇村の妹であるカオリとは好き合ってるのに一線を越えられないのは、自分に近い存在になると危険な目に合う可能性が高くなるから(だと思う)、大事な人には死んでほしくないと思っているから(だと思う)。

 

だからずーっとリョウは槇村を感じて生きていると思うし、槇村の死が今のリョウを作り上げたと言っても過言では無いのかなと個人的には思っているわけで。

 

そんなシティーハンターの物語に深みを持たせている槇村の死を外さずに描いたフィリップ・ラショー監督にブラボー。

 

さらに本作で描かれた槇村の死を結末でしっかりと回収するという素晴らしい展開にもブラボー。

 

 

 

パンチョとスキッピー

 

<キューピッドの香水>によってカオリに惚れてしまった男・パンチョと、偶然<キューピッドの香水>を手に入れてしまった男・スキッピーの活躍も良かった。

 

パンチョはただのモブかと思ってたら、リョウとカオリのミッションに同行することになって。はじめのうちは結構ウザめだったんだけど、そのウザさが段々癖になってくるという。で、ちょこちょこ活躍するし、なんだか憎めないキャラに昇華されていくんです。

 

で、スキッピーは<キューピッドの香水>の効果を知って、自分の欲望のため、エロのために悪用しようとするあたりがザ・男といった感じで憎めなくてね。ベットの上に乗りながらカーチェイスに巻き込まれる(意味不明なわかりづらい文章だけど観た方はわかるはず)という離れ業をやってのけた稀有な男で。ドジっ子中年といったキャラクターでかなり良い味出してました。

 

この2人は本作のお笑い担当だったんだけど、十二分に存在感を発揮して、2人が本作のちょっとしたアクセントになっていて良かったです。

 

 

 

吹き替えの良さ

 

吹き替え版だったことも本作が面白かった理由のひとつで。リョウの声を山寺宏一さんカオリを沢城みゆきさん。もうね、間違いないでしょ。素晴らしい。この2人を筆頭に声優さんたちのクオリティーが高い(←上から目線で何様)。声がキャラに合いまくっていてね。特にスキッピーの声なんてたまらんですよ。ぴったり。で、スキッピーの奥さんの声(アニメ版の香の声をやっていた伊倉一恵さん)もたまらんですよ。声だけで笑える(笑)。

 

で、元々シティーハンターって笑える場面が多いので、セリフの言い回しやトーンやテンションって大事で。そこがダイレクトに伝わるのでとっても良かったです。だって、「モッコリーさん」を字幕で読んだっていまいち伝わらないでしょ?髪の毛の薄いスキッピーの呼び名を「つるぴかお」とか「デコひろし」って字幕で読んだっていまいち伝わらないでしょ?

 

本作シティーハンターを観て、日本発の人気漫画の実写映画は吹き替え版で観た方がいいのかなぁなんて思いましたね。進撃の巨人やAKIRAもこれから海外で実写化されるので、吹き替え版で観ようかなと思っております。(出来ればアニメと同じ声優さんの起用を希望。)

  

 

 

まとめ 

とにかく冒頭から最後のオチまでシティーハンターしていてとっても面白かったです。あぁ、リョウっぽいわ…とか、香っぽいわ…とか、らしい場面がたっぷりあるので最高に楽しめました。

 

ツボを押さえた演出や展開はどこからどう見ても間違いなくシティーハンターで。こんなに面白いシティーハンターの実写化を日本人ではなくてフランス人が作ったことに賞賛と少しの悔しさ(なんで日本人が作らないのか、という悔しさ)も感じたりして。

 

本作は、シナリオもキャラクターも吹き替えも展開もほぼ完璧にシティーハンターだったので、このテイストで是非とも続編が見たいなぁなんて思っております。

 

そうそう、最後にはビシッとTMネットワークの『Get Wild』が流れるのでご安心を。この曲が流れなかったらシティーハンターって呼べないでしょ(^_-)

 

 

 

映画『シティーハンター THE MOVIE 史上最香のミッション』をもっと詳しく知りたい方へ

 

お前の感想じゃよくわからん!と、不満をお待ちの方に朗報。

 

映画紹介サイト『MIHOシネマ』さんで、映画『シティーハンター THE MOVIE 史上最香のミッション』が詳しく紹介されているので、本作をもっと詳しく知りたい方はこちらをどうぞ。

 

mihocinema.com


 

 

それでは、最後まで読んでいただきありがとうございました!

 

ではまた。