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映画『ナイブズ・アウト 名探偵と刃の館の秘密』【ネタバレ感想】名探偵ブランが挑む密室殺人ミステリー!

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映画『ナイブズ・アウト 名探偵と刃の館の秘密』を観てきました!(2020年2月13日鑑賞)

 

ミステリーでもあり、コメディーでもあり、人間ドラマでもあり…と、いろんな要素が詰まったエンターテイメントな映画でした!

 

非常に満足度の高い作品でしたよ。

 

では、いってみましょう。

 

 

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作品情報

公開日:2020年1月31日

監督:ライアン・ジョンソン

脚本:ライアン・ジョンソン

音楽:ネイサン・ジョンソン

制作国:アメリカ

上映時間:131分

配給:ロングライド

 

 

キャスト

ダニエル・クレイグ:ブノワ・ブラン

クリス・エバンス:ランサム・ドライズデール

アナ・デ・アルマス・グレイザー:マルタ・カブレラ

ジェイミー・リー・カーティス:リンダ・ドライズデール

マイケル・シャノン:ウォルト・スロンビー

ドン・ジョンソン:リチャード・ドライズデール

トニ・コレット:ジョニ・スロンビー

ラキース・スタンフィールド:エリオット警部補

キャサリン・ラングフォード:メグ・スロンビー

ジェイデン・マーテル:ジェイコブ・スロンビー

フランク・オズ:アラン・スティーヴンス

リキ・リンドホーム:ドナ・スロンビー

エディ・パターソン:フラン

K・カラン:グレート・ナナ・ワネッタ

ノア・セガン:ワグナー巡査

クリストファー・プラマー:ハーラン・スロンビー

M・エメット・ウォルシュ

マーリーン・フォルテ

ケリー・フランシス

ラウル・カスティーロ

 

 

予告


映画『ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密』予告編(60秒)

 

  

あらすじ

世界的ミステリー作家ハーラン・スロンビーの85歳の誕生日パーティーが彼の豪邸で開かれた。その翌朝、ハーランが遺体となって発見される。依頼を受けた名探偵ブノワ・ブランは、事件の調査を進めていく。莫大な資産を抱えるハーランの子どもたちとその家族、家政婦、専属看護師と、屋敷にいた全員が事件の第一容疑者となったことから、裕福な家族の裏側に隠れたさまざまな人間関係があぶりだされていく。

(出典元:映画.com)

 

 

映画『ナイブズ・アウト 名探偵と刃の館の秘密』ネタバレ感想

娯楽性の高いミステリー

 

大富豪一家に起きた密室殺人ミステリー。

 

すっげぇ面白かったです!

 

散りばめられた伏線と見事な回収劇、名探偵ブランを中心とした登場人物たちの軽妙なやりとり、大富豪一家ならではの醜さが垣間見える人間模様、シリアスな展開の中にちょこちょこ挟み込まれた笑えるシーン…など、ミステリーなんだけど重くなり過ぎず、かなり娯楽性の高い作品でした。

 

予告を見て覚悟はしていたけど、登場人物が多くて、名前と顔と関係性がなかなか一致しなくてね。そんな中で物語がサクサク展開されちゃう序盤はかなり苦戦しまして。死んだハーランの長女がリンダでその旦那がリチャードでその二人の息子がランサムで…ということはランサムはハーランの孫で、みたいな。歳を重ねるごとにカタカナの名前って覚え辛くなるのよね…老化ってイヤね(^^;;

 

で、ようやく顔と名前と関係性が一致してきた頃に(序盤と中盤の間くらいかな)密室殺人の真相が早くも明らかになるんです。本作は観客も犯人を推理するような探偵目線のミステリーではなくて、観客は事件の真相を知っていて、その事件の犯人が徐々に追い詰められる様=心理戦を楽しむという、古畑任三郎パターンなんです(わかります?)。

 

本編途中で明らかになったこの密室殺人の真相をちょこっと言っちゃうとね、他殺でもあり自殺でもある、切なくて悲しい密室殺人なんです。で、もっと言っちゃうと、果たしてこの密室殺人は罪に問われるのか?みたいな、ある間違いによって起きてしまった密室殺人なんです。つまりは悪人がいないんですよ。悪人がいない密室殺人。

 

だからね、例え名探偵ブランが事件を鮮やかに解決したとしても、盛り上がりに欠けること必至なわけで。だって、悪人がいないのだから。賑やかでスピーディーでグイグイと展開される物語は素晴らしく面白いんだけど、面白いんだけど盛り上がるラストというか着地点が想像できないのよ。

 

でもね、しっかりと伏線を回収しつつ「他殺でもあり自殺でもある切なくて悲しい密室殺人」だけに終わらせない見事な結末を迎えるわけですよ!本編途中で明らかになった真相の裏に、実は隠された真実があったというね。これはね、なるほど!そういうことだったのね!と思わず膝を叩くような(←古い例え)見事な結末で。なんて言うんですかね、悪人がいない密室殺人のはずだったのに実は悪人がいた、というウルトラC(←古い例え)な結末で。

 

(詳しい結末は是非とも観ていただきたいのでボヤッとした感想になっちゃったけど、個人的には大満足な結末でした。)

 

 

 

微妙だった名探偵ブラン

 

本作の主人公、名探偵ブランは…どうなんだろう。ちょっと存在感が薄かったかなぁ。名探偵っぷりが見られなくて残念。鋭い観察眼は持っていたみたいだけど、主人公にしては物足りなかった。切れ味鋭くビッシビシと問題点を指摘してグイッグイと事件解決へ導いて欲しかったなぁと。作品が面白かっただけに、そこが唯一の残念な点だったかな。

 

で、ブラン役は『007』シリーズのダニエル・クレイグ。渋い。ジェームズ・ボンドとは全く違う役だけど、渋さは変わらなかったです。が、メガネ(老眼鏡?)を掛けて登場するシーンがあったんだけど…ダニエル・クレイグ老けたなぁと。一瞬おじいちゃんに見えちゃったりして。出来ればメガネはやめた方がいいんじゃないかとどうでもいいことを思ったりもして(ホント余計なお世話なんだけど…)。

 

 

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本作の主人公はマルタか?

 

主人公ブラン以上の存在感を放ったハーランの専属看護師マルタ。良かったわぁ、マルタ。本作の主人公は実はマルタだったんじゃないのかと思えるほどに抜群の存在感&キャラクターで。

 

とっても可愛いというヴィジュアル的な好みもあるんだけど、まずは設定が面白くて。

 

嘘をつくと吐いちゃう(ゲロしちゃう)んです、マルタったら。僕のブログにたどり着いてくれたアナタは清廉潔白だとは思うけど、例えばね、例えばですよ、アナタが浮気をしていてね、パートナーの方に「浮気してるでしょ!?」とか疑われてね「浮気なんかするわけないじゃないか!」なんて嘘をつこうものならゲロゲロゲロ…ってリバースしちゃう。そんな体質なの、マルタって(例えが悪い)。

 

嘘をつくとゲロゲロしちゃうシーンがちょこちょこ出てきて物語の良いアクセントになりつつ、その体質が最後に重要な役割を見せるんです。マルタが最後についた嘘は僕も完全に騙されたし、見事な結末に導いた機転の効いた嘘で。そして、こんな爽快なゲロシーンは僕の映画鑑賞の歴史で初めてでした(褒め言葉!)。

 

そしてマルタは優しいの。就寝時間を過ぎたにも関わらず囲碁をしたがるハーランのわがままに付き合ってあげたり(そして手を抜かない)、自分が容疑者として不利な状況になってしまうにも関わらず人命を優先したりして、すっごくいい娘なの。周りの人間(ハーラン一族)が金の亡者でダメな奴ばかりなので、より彼女の素敵さ素朴さが浮き彫りになってマルタに味方したくなるというか、思いっきり感情移入できるの。

 

そんな嘘をつけない心優しきマルタと名探偵ブランとの心理戦は見どころたっぷりでスクリーンに釘付けでホント面白かったです。

 

 

 

他に良かったところ

 

大富豪ハーラン一家と移民であるマルタとの格差が描かれたり(今流行りの?格差社会)、ハーランの遺産がマルタに渡ることを知った後のハーラン一家の慌てぶりが滑稽で面白かったし、立場が変わったマルタの堂々とした態度は爽快だったし、正義のスーパーヒーロー『キャプテン・アメリカ』を演じたクリス・エバンスのどうしようもないダメ息子(孫)っぷりは新鮮で良かったし、そして最後のナイフのくだりの伏線回収もお見事だったし…最初から最後まで楽しめるエンターテイメントミステリーでした。

 

 

 

まとめ 

登場人物が多いので、かなり賑やかでワチャワチャしてはいるものの、ミステリーの醍醐味である伏線やその回収劇ブランとマルタの心理戦、そして最後のオチなど、押さえるところは押さえられていて、個人的には満足度の高い作品でした。間違いなくオススメできます!

 

あ、そうそう、マルタの嘘をつくと吐いちゃうっていう設定(欠点)が本作のキモだったように感じたし個人的にはツボでした。ミステリーの面白さのひとつって、騙し合いによる心理戦だと思うんだけど、騙せないんですよ、マルタって。でもその欠点である設定をうまく使って笑いを引き出しつつ、最後にその欠点を逆手にとってスカッとする結末を迎える展開はね…ホント秀逸でしたよ。

 

どうやら第2弾の制作も決定しているみたいなので、とっても楽しみです。次回はブランの名探偵っぷりが見られることを期待したいですね。

 

おしまい。

 

 

 

映画『ナイブズ・アウト 名探偵と刃の館の秘密』をもっと詳しく知りたい方へ

 

お前の感想じゃよくわからん!と、不満をお待ちの方に朗報。

 

映画紹介サイト『MIHOシネマ』さんで、映画『ナイブズ・アウト 名探偵と刃の館の秘密』が詳しく紹介されているので、本作をもっと詳しく知りたい方はこちらをどうぞ。

 

mihocinema.com