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映画『アス』【ネタバレ感想】オスカー女優ルピタ・ニョンゴ主演のドッペルゲンガーなホラー作品。衝撃のラストは必見!

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映画『アス』を観てきました!

 

「自分たちとそっくりな“わたしたち”」に襲われるという不気味なホラー映画。サブイボが立ちまくりのとっても怖い作品でした!

 

では、いってみましょう。

 

 

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作品情報

公開日:2019年9月6日

監督:ジョーダン・ピール

製作:ジョーダン・ピール

   ショーン・マッキトリック

   ジェイソン・ブラム

   イアン・クーパー

製作総指揮:ダニエル・ルピ

      ベア・セケイラ

脚本:ジョーダン・ピール

音楽:マイケル・エイブルズ

制作国:アメリカ

上映時間:116分

配給:東宝東和

 

 

キャスト

ルピタ・ニョンゴ:アデレード・ウィルソン/レッド

ウィンストン・デューク:ゲイブ・ウィルソン/アブラハム

エリザベス・モス:キティ・タイラー

ティム・ハイデッカー:ジョシュ・タイラー

シャハディ・ライト・ジョセフ:ゾーラ・ウィルソン/アンブラ

エバン・アレックス:ジェイソン・ウィルソン/プルートー

カリ・シェルドン:ベッカ・タイラー

ノエル・シェルドン:リンジー・タイラー

ヤーヤ・アブドゥル=マティーン2世

アナ・ディオプ

マディソン・カリー

 

 

あらすじ

夫のゲイブ、娘のゾーラ、息子のジェイソンとともに夏休みを過ごすため、幼少期に住んでいたカリフォルニア州サンタクルーズの家を訪れたアデレードは、不気味な偶然に見舞われたことで過去のトラウマがフラッシュバックするようになってしまう。そして、家族の身に何か恐ろしいことが起こるという妄想を次第に強めていく彼女の前に、自分たちとそっくりな“わたしたち”が現れ……。

(出典元:映画.com)

 

 

映画『アス』ネタバレ感想

ドッペルゲンガー

 

“わたしたち”がやってくる

 

という、本作『アス』の怖くて不気味なキャッチコピー通り「自分たちとそっくりな“わたしたち”」がやってくるというホラーな展開は、完全に僕を恐怖に陥れてくれました。が、物語が進むにつれて本作の魅力が徐々に失われてしまい、僕の期待値を下回ってしまい…物語後半はちょっと残念でした。でもオチは衝撃的でかなり良かったですよ。

 

主人公アデレードが、幼少期に海岸沿いの遊園地でもう1人の自分自身と出会ってしまうという、いわゆる「ドッペルゲンガー」を経験するシーンはかなり怖くて良かったです。
 

幼少期のアデレードが遊園地でミラーハウスみたいなアトラクションにひとりで入っちゃうんですね。ホラーとミラーハウスの組み合わせといったら…絶対に怖いじゃん。周りは鏡に映った自分だらけだし本作は「自分たちとそっくりな“わたしたち”」がやってくるホラー映画なんだし…絶対にやってくるじゃん。

 

で、鏡の前に立ったら絶対に自分の顔が映るはずなのに後頭部が映ってるじゃん!そいつが勝手に振り向くじゃん!鏡かと思ったらそれ鏡じゃないじゃん!そこには自分にそっくりな女の子がいるじゃん!

 

ホントに怖いじゃん!

 

絶対に怖いことが起きるはずで、覚悟はしていたけど、やっぱりビビりましたね…ごっつい怖いシーンでした…(; ̄ェ ̄)と同時に『リング』以来(古いとか言わないで!)ホラーがちょっと苦手な僕にとって(じゃあ観るなよとか言わないで!)『アス』は強敵だと認めざるを得なくて、ヤバそうなシーンは薄目で対処することを決めた瞬間でもありました。

 

 

 

“わたしたち”がやってきた!

 

時は過ぎて、アデレードは旦那さんと娘と息子の家族4人で夏休みを過ごすために、幼少期にアデレードが住んでいた家を訪れるんだけど、当時経験したドッペルゲンガーがトラウマになっちゃって。自分たち家族に何か不吉な事が起きるんじゃないかという妄想をして、異常に怯えるんです。そしてある日の夜、そのアデレードの妄想が現実になっちゃうんです。“わたしたち”がやってくるんです…。

 

もうね、怖い。

ただ、怖い。

 

だってさ、何者かわからない4人が、家の庭に突っ立って黙ってじっと家の方を見てるんだよ。暗くて顔もよく見えないし。夫のゲイブが玄関から警告しても無反応でただ家の方を見てるだけ…。

 

無反応、怖い。

間が、怖い。

 

自分たちにそっくりだとかそっくりじゃないとかそれ以前に、夜に何者かわからない奴らが家の庭に立って黙ってじっと家を見ている行為が恐怖。

 

で、いよいよ庭で突っ立っていた奴らが家に侵入してくるんです。玄関のドアを蹴破ろうとするし、子どもらしき2人は回り込んで違うドアから入ろうとするし、ゲイブが金属バットで侵入を防ごうとするんだけど返り討ちにあっちゃうし、僕の心拍数は跳ね上がるし、サブイボ立ちまくるし。

 

結局侵入を許しちゃって「自分たちとそっくりな“わたしたち”」と対峙することになるんだけど、こいつらが人間なのか霊的な何かなのか、違う星から来た宇宙人なのか、過去から来たのか未来から来たのか、何もわからないのがまた不気味で…。アデレードのそっくりさん=レッドはハサミなんか持ってるし…。

 

「自分たちとそっくりな“わたしたち”」がやってくるシーンは最高に恐怖でした。

 

だってさ、自分に置き換えて想像してみて。夜に何気なくカーテン開けて窓の外を見たら、得体の知れない4人が黙ってこっちを見てるんだよ…。で、そいつらが家に侵入してくるんだよ…。で、そいつらの顔を見たら自分たち家族とそっくりな顔してるんだよ…。怖くね?不気味じゃね?

 

この先の展開に期待が膨らんだ恐怖シーンだったけど、残念ながらこの「自分たちとそっくりな“わたしたち”」がやってきたシーンが本作での怖さのピークでした。僕的には盛り上がりのピーク。ラストが衝撃的で良かったので、終わり良ければ全て良し的な感じにはなったけど…。

 

 

 

思っていたのと違う展開に

 

アデレード一家は別荘から脱出して、何とか逃げることに成功するんです(案外あっさりと脱出しちゃうんで若干の拍子抜け感あり)。でね、近くにいる友人家族に助けを求めに行くんだけど、その家族もその家族のそっくりさんに襲われ済みでして。

 

つまりは「自分たちとそっくりな“わたしたち”」に襲われたのはアデレード一家だけじゃなかったんです。

 

ま、それはいいとしよう(いいのかいっ!)。

 

でもね、その友人家族のそっくりさんたちにアデレード一家が襲われるんです。

 

あれ?「自分たちとそっくりな“わたしたち”」じゃない奴らに襲われてる…。あれ?自分たちとそっくりだから襲われるというわけではないのか、と。誰でもよかったのか、と。

 

本作の見どころって「自分たちとそっくりな“わたしたち”」に襲われる不気味さだと思うんです。だってそこが観たいわけだし。自分たちとそっくりで「不気味な“わたしたち”」に追い詰められるのが本作の魅力でストロングポイントのはず(だと思う)なのに、そこが抜け落ちちゃうんです。その辺からちょっとノレなくなってきちゃって…。

 

 

 

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ゾンビパニックムービー

 

アデレード一家(ゲイブ以外ね)が異様に逞しくて、友人家族のそっくりさんを撃破して、友人の別荘からも何とか脱出するんだけど、逃走中に死体が転がってるんです。いろんな人たちの「自分たちとそっくりな“わたしたち”」に襲われた人たち。(わかりづらい文章。)

 

もう完全にホラー映画というよりはゾンビ映画のようなパニック映画のような様相を見せるんです。地下から出てきたゾンビが地上にいる人間を襲うパニック映画、的な。

 

この先も怖かったりドキドキして緊張感のある場面もたっぷりとあるし、ホラー映画として及第点でつまらなくはないんだけど(すっごい上から目線)、物語が進むにつれて本作の魅力がさらにどんどん薄れてしまうんです。そっくりとかどうでもよくなっちゃう。

 

 

 

そっくりな“わたしたち”の正体

 

「自分たちとそっくりな“わたしたち”」は何者なのか。

 

実は政府の実験によって作られたクローン人間で、その実験が中止になったため地下に閉じ込めちゃった(隔離しちゃった)…ということらしいです。

 

地上にいる人間は太陽の光に当たれて楽しそうでいいね、でも地下にいる人間はうさぎを食べさせられて辛い生活を強いられてるんだ…的なことを言っていたようないないような。こんな生活を強いられているのは地上の人間たちのせいだ復讐だってことで、地下にいる「そっくりな“わたしたち”」が地上に出てきて復讐する…ということらしいです。(僕的解釈も入っているので、違ったらごめんなさい。)

 

要は人間らしいです。霊的な何かでもなければ、違う星から来た宇宙人でもなくて、過去から来たわけでも未来から来たでもなくて、現在を生きる人間だってこと。そして「そっくりな“わたしたち”」は地下で生活しているってこと。

 

おぉ!そういうことか!なるほど!…ってならない。僕が観たかったのは圧倒的なホラー。(ホラー映画が苦手でビビリのくせに、です。)社会派ドラマ的な要素はいらなかったかなぁって。

 

例えば、密かにアデレードの憧れていた女子が何十年もストーカーをしていて、憧れすぎて同じ顔に整形して、結婚した男性にも整形させて、生まれた子供にも整形させて、アデレード一家の前に突然現れて「あなたたち家族と一緒にしたの。でもあなたは私を裏切った!殺してやる!キーッ!!!」っていうようなもっと身近な恐怖を感じたかったなぁって。(チープすぎる例えでごめんなさいね。)

 

 

 

衝撃の真実

 

ここからスーパーネタバレに入ります。

知りたくない方は引き返して下さいね。

 

 

 

アデレードとレッドのアデレード対決を本物のアデレードが制して一件落着に。(アデレード言い過ぎ。)

 

で、最後に目ん玉が飛び出るほどの衝撃的なびっくり新事実が明らかになるんです。

 

幼少期の少女アデレードが経験したミラーハウスでの「ドッペルゲンガー」事件。実はミラーハウス内で少女アデレードは入れ替わっていたんです。本物の少女アデレードは地下に連れて行かれ(軟禁され)、地下にいた少女クローンアデレード(なんかハーフみたいな名前だな…)が地上に出て、本物の少女アデレードとして生きていた、ということ。伝わります?つまり、ここまで家族を守るために戦ってきた主人公アデレードは地下にいたクローンアデレードだったんです。

 

 

衝撃!!!

 

 

びっくり仰天(今どき使わない単語?)でサスペンスな結末は読めなかったです。コアな映画ファンの方はこの結末は読めたのかなぁ。確かにアデレードに関しては、ちょこちょこ引っ掛かるシーンがあったけど、趣味でフワッと映画を観る程度のおじさん(僕のことね)にはこの結末は読めませんでした。

 

アデレードが入れ替わっていたという結末から思い返してみると、伏線らしきことがちらほらあったなぁと。腑に落ちるというか。

 

アデレードが自分たち家族に何か不吉な事が起きるんじゃないかと異常に怯えていたり(復讐されると思っていた)、息子のジェイソンがいなくなると異常に心配したり(連れ去られると思っていた)、はじめは怯えていたけど途中から好戦的になったり(地下にいるクローンは凶暴)、ミラーハウスの中に地下に行ける通路があることを知っていたり(もともと地下にいたから)…など。この辺が伏線になっていたんですね、多分。

 

最後のサスペンスなオチは予想外でかなり良かったです。おじさんすっかり騙された。けど、冷静に考えると、本物のアデレードは可愛そうじゃね。本当なら普通に楽しい人生を歩めるはずだったのに、ミラーハウスに入ってしまったがゆえに地下に閉じ込められ、そして復讐すべく地上に出たのに返り討ちにあって、一生を終えちゃうんですよ。何も悪いことはしていないのに。結構悲しい結末。

 

物語的には「自分たちとそっくりな“わたしたち”」を撃退してハッピーエンド(?)なんだけど、考えようによってはバッドエンドだったという。ちょっと泣ける。

  

 

 

まとめ 

自分のそっくりさんに襲われるというなんとも怖くて不気味で面白い作品でした。前半は抜群に面白かったけど後半はちょっと…みたいに書いちゃったけど、それはあくまでも僕の期待値が高過ぎたがゆえの評価でして。ホラー映画としては及第点だと思います(って超上から目線で何様)。

 

あのようなオチにするのなら、アデレード一家にだけ焦点を当てた方がよかったんじゃないかなと思うんですね。なぜ襲われたのかってことをもう少しわかりやすく伏線を放り込んでくれたらもっと感情移入出来て、より面白かったような気がします。

 

地下にいたそっくりさんたち=クローンが大量に出てきちゃって、地上にいる人間を襲うっていうパニックムービー的な要素が入ってしまって、物語がちょっと散漫になっちゃったかなと思います。発想としては面白いんですけどね(再び上から目線)。

 

ゴリゴリの本格ホラーではないけど、ずっと不気味さを漂わせていて、サスペンスで衝撃的な結末もあり、楽しくは観られました。(何か引っ掛かる言い方。)

 

不満など書きつつも僕は嫌いじゃないし、オススメできる作品だと思います!(何か引っ掛かる言い方。)

 

 

 

それでは、最後まで読んでいただきありがとうございました!

 

ではまた。