映画『ビルド NEW WORLD 仮面ライダーグリス』【ネタバレ感想】ドルヲタの猿渡一海と三羽ガラスの熱い友情とラストバトルを刮目せよ!
映画『ビルド NEW WORLD 仮面ライダーグリス』を観てきました!
観てきました!とか書いてますが、観に行ったのは2019年9月8日…です。
あれ観てこれ観て、あの感想書いてこの感想書いて…ってやっておりましたら2ヶ月弱経っておりましたとさ。
では、いってみましょう。
作品情報
公開日:2019年9月6日
監督:中澤祥次郎
原作:石ノ森章太郎
脚本:武藤将吾
音楽:川井憲次
主題歌:小林正則「Perfect Triumph」
配給:東映ビデオ
上映時間:64分
キャスト
武田航平:猿渡一海/仮面ライダーグリス
高田夏帆:石動美空
栄信:赤羽
芹澤興人:青羽
吉村卓也:黄羽
越智友己:内海成彰
木山廉彬:葛城巧
高尾勇次:生方直進
小久保丈二:葛城忍
山田明郷:氷室泰山
マイケル富岡:サイモン・マーカス
趙珉和:浦賀啓示
滝裕可里:滝川紗羽
水上剣星:氷室幻徳
赤楚衛二:万丈龍我
犬飼貴丈:桐生戦兎
予告
Vシネクスト『ビルド NEW WORLD 仮面ライダーグリス』予告編 ビルド最終章、始動。戦兎が生みだした「新世界」での物語。
あらすじ
桐生戦兎が創造した新世界では、人体実験を受けた者にだけ旧世界の記憶がよみがえり、記憶がよみがえった者の中から、新世界を「科学の力=兵器」によって支配しようと企む者がテロリスト集団「ダウンフォール」が生まれる。ダウンフォールの魔の手は戦兎や万丈龍我、そして一海にもおよび、一海が愛する美空が人質にとられてしまう。美空を救うため、一海と彼を支える三羽カラスは反撃を開始するが……。
(出典元:映画.com)
映画『ビルド NEW WORLD 仮面ライダーグリス』ネタバレ感想
『ドルヲタ』まさかの映像化
仮面ライダービルドTVシリーズのオープニングナレーションで、猿渡一海がポロッと口にした架空のドラマ『ドルヲタ、推しと付き合うってよ』がまさかの映像化ですってよ!
視聴者はもちろんのこと、多分関係者の方々や武田航平さん自身も、まさか『ドルヲタ』が映像化されるとは思ってなかったんじゃないかな。誰が映像化にゴーサインを出したのかわからないけど、これは大ファインプレーだったんじゃないでしょうかね。だって、面白かったんだもの。
『ドルヲタ』感想
ザックリと『ドルヲタ』のあらすじ。
美空が一海に「(買い物に)付き合って」と言ったつもりだったのに、一海は「(わたしと)お付き合いして」と言われたと思って勘違い→一海はウキウキで美空と買い物デートを楽しむ→買い物が終わって一海が美空に愛の告白→当然のごとく撃沈→振られた一海は三羽ガラスと共に無人島へ傷心旅行に行く…という仮面ライダーの「仮」の字も出てこないゆる〜いお話。
時間でいうと…15分くらいかな?かなり短かったけどかなり面白かったです。みーたん愛が強過ぎて鼻息の荒い一海と、相変わらず一海を男として見ていない美空のテンポの良い掛け合いがなんとも懐かしくて嬉しくて。
TVシリーズでは、ドラマチックに散った一海(ビルド屈指の名場面!)と、一海の気持ちを知りつつも応えられなかった美空の関係性も切なかったので、ビルド好きおじさんの僕としては一海と美空の軽妙な掛け合いがまた見られて感慨深かったです…(T_T)
それにしても武田航平さんのコミカルな演技は抜群ですね。武田航平のイメージをここまで崩しちゃって大丈夫なの?って心配になるほどの振り切った演技、みーたんLOVEの三枚目でコミカルな猿渡一海を存分に見せてくれて、最高に面白かったです。
仮面ライダーキバのキザでコミカル(?)な紅音也を演じた経験がものをいってるのかいないのか…安定感抜群の演技でしたね。ぶっちゃけTVシリーズで武田航平さん=猿渡一海が登場してからは作品に安定感や安心感が出てきましたからね。
でね、この『ドルヲタ』。一海と三羽ガラスがゴムボートで無人島に向かうところで終わるんだけど、実はその後に始まる『仮面ライダーグリス』に繋がっているんです。もしかして、一海が美空に振られなかったら…無人島に行かなかったら…戦兎が創ったこの新世界は悪の手に落ちていたかもしれないんです。この『ドルヲタ』はただの賑やかし作品ではなかったというすごい構成。よくぞ『仮面ライダーグリス』にねじ込んだなと。感心しちゃいましたよ。
『仮面ライダーグリス』感想
で、劇場版本編『仮面ライダーグリス』。
はっきり言って面白かった!
もう観られないと思っていた一海と三羽ガラスたちの兄弟のような先輩後輩のような…なんとも微笑ましくて絶妙な距離感のある4人の活躍が再び観られたのが何よりいちばん良かったです。
口うるさい三羽ガラスを一海はウザったそうにあしらったりして、表面的には憎まれ口を叩き合うような仲なんだけど、でもいざっていう時にはお互いに命を投げ出す覚悟が出来ているという、仲間を思う気持ちや信頼感のある関係性が観ていて心地良いんですよね。
TVシリーズではそれほど出番は多くなかったけど(爪痕は残したけど)、三羽ガラスの出番も多くて良かったです。
美空がテロリスト集団「ダウンフォール」にさらわれたのに、振られたことを引きずって助けに行かない一海の代わりに(大好きな美空の命がかかってるのに助けに行かないってどうなんだよカズミン…)三羽ガラスが浦賀に立ち向かうシーンは良かったです。絶対にやられるのはわかってるんだけど、予想通りやられちゃうんだけど、カシラがやらないなら俺たちがやってやるぜ感が伝わってきて、ちょっと感動しちゃった…。
ビルドメンバー集結
懐かしのビルドメンバーの活躍をまた観られたのも嬉しかったですねー。桐生戦兎(ビルド)、万丈龍我(クローズ)、氷室幻徳(ローグ)、内海(マッドローグ)、紗羽さん、葛城巧、葛城忍、氷室泰山…など、ほぼほぼ主要キャラクターが登場します。
戦兎と万丈は相変わらず軽口を叩き合うし、ヒゲはヒゲを剃っちゃうし(よくわからない文章)、葛城親子はまだ仲直りしてないし…。ちょっとしたことでも、TVシリーズのその後を観られるのは嬉しいものです。
でね、続編って、内容はもちろん大事なんだけど、オリジナルキャストが出演してくれるのかくれないのかによって、作品への感情移入度が大きく変わると思うんですよね。
だからさ、そういった意味では…美空のお父さん(エボルト)が登場しなかったのは非常に残念!これは残念!マジで残念!なんでかなぁ…エボルトの記憶が戻っちゃうと物語がややこしくなっちゃうからあえて登場させなかった、とか?ただ単にスケジュールが合わなかったのか、それとも大人の事情ってやつなのか…。
個人的にはちょっといい奴になったエボルトを観てみたかった気がしますね。
エボルトと万丈の口喧嘩とかちょっと観てみたい(笑)
良かった点あれこれ
紗羽さんとヒゲが付き合ってたのにはビックリしたし(2人とも例の変なセリフ入りTシャツ着てた。)、テロリスト集団「ダウンフォール」の指導者・浦賀啓示を演じた趙珉和(ちょう たみやす)さんの演技が不気味でめちゃくちゃ良かったり、命の危険を顧みずグリスの新アイテムの為にファントムリキッドの抽出を決意した三羽ガラスの覚悟に感動したり、その三羽ガラスのファントムリキッドから作り出したグリスボトルを使って変身した仮面ライダーグリスパーフェクトキングダム(長い!)への変身シークエンスが三羽ガラスを感じさせて良かったり…と、見どころもたっぷりありまして。
そうそう、マイケル富岡さん演じるサイモン・マーカスが浦賀に撃たれて呆気なく死んじゃったのにはびっくりしました(大物感出してたんですけどね)。名の知れた方なので、もう少し活躍するかと思ったら…ねぇ。
身も蓋もない残念なところ
『ドルヲタ、推しと付き合うってよ』『仮面ライダーグリス』共に満足できるクオリティーだったんですが、ちょっと残念に思うところもあって。
まずは、仮面ライダーグリスブリザードは登場させて欲しくなかったなと。TVシリーズのクライマックスで登場した仮面ライダーグリス最強フォームかつ猿渡一海自身が消滅してしまう原因にもなった仮面ライダーグリスブリザード。
「Are you ready?」
「出来てるよ」
仮面ライダーグリス最後の変身シーンのセリフ。
仮面ライダービルドTVシリーズ屈指のしびれるセリフ。
だからこそ!ですよ。一海の散り様がドラマチックで印象的だったので、登場させるのはTVシリーズだけにして欲しかったなと。命をかけた究極の変身だったので、軽々しく登場させて欲しくなかったなと(軽々しくはなかったか…)。
そしてもうひとつ。
これを言ったら身も蓋もないことは重々承知の助なんだけど、本作『仮面ライダーグリス』って…やらなくても良かったんじゃね?って心の片隅で呟いているもう1人の自分がいるんですよね。
決して『仮面ライダーグリス』が面白くなかったと言ってるわけじゃないんです。むしろ面白かったし。一海と三羽ガラスを筆頭に、戦兎や万丈たちオリキャスの面々を再び観ることが出来たので、満足度は高いんだけど…矛盾してるのはわかってるんだけど…やらなくて良かったんじゃね?って。
というのも、TVシリーズの最終話が切なくて秀逸で最高だったからなんです。だって、戦兎が新世界を創造したおかげで世界は救われたのに、新世界の住人たちは誰一人として(正確に言うと万丈以外は)ビルドの事も戦兎の事も記憶に残ってないんですよ。ずっと共に戦ってきた美空だって戦兎のこと覚えてないんだから…。
こんな切ない終わり方、ある?最高過ぎるでしょ?ビルド最終話を観て、仮面ライダーって孤独なところが良いんだよなぁって当時すっげぇ感動したことを覚えてますよ…(遠い目で)。
だからTVシリーズの続編を観られて嬉しかった気持ちがありつつも、やっぱりやらなくても良かったんじゃね?っていう気持ちもあったりなかったり(どっちつかずの文章)。
まとめ
『ドルヲタ』で始まり『ドルヲタ』で終わるという、思い切った構成がとっても面白かったし、『ドルヲタ』で見せた三枚目猿渡一海も良かったし(三代目J何とかみたいだな…)、『仮面ライダーグリス』で見せた仲間思いで男気溢れるカシラとしての猿渡一海も魅力的で良かったし、仮面ライダービルド最後の作品として十分に楽しめる内容でした。
TVシリーズの最終話に感動した俺の気待ちをどうしてくれるんだっ!っていう、僕の戯れ言はどうでもいいので、本作を最後と言わずに数年後のビルドの世界を観てみたいなぁって思わせてくれる良き作品でしたよ。一海と美空のその後…観たいっすよね?
ビルドファンは必見の作品なので、ビルドファンは絶対に観てね!
それでは、最後まで読んでいただきありがとうございました!
ではまた。