映画『ペンギン・ハイウェイ』感想と考察!大人向けのファンタジー映画でした!【ちょっとネタバレ】
映画『ペンギン・ハイウェイ』を見てきましたよ!
娘とふたりで見に行きました!
作品情報
公開日:2018年8月17日
原作:森見登美彦
監督:石田祐康
脚本:上田誠
主題歌:宇多田ヒカル「Good Night」
制作:スタジオコロリド
上映時間:118分
キャスト(声の出演)
アオヤマ君:北香那
お姉さん:蒼井優
ウチダ君:釘宮理恵
ハマモトさん:潘めぐみ
スズキ君:福井美樹
アオヤマ君のお母さん:能登麻美子
アオヤマ君の妹:久野美咲
アオヤマ君のお父さん:西島秀俊
ハマモトさんのお父さん:竹中直人
あらすじ
とっても頭が良くて、探究心旺盛で、ちょっと大人びている小学四年生のアオヤマ君。そして、そのアオヤマ君の憧れでもあるとっても仲良しで、ちょっとミステリアスなおっぱいの大きなお姉さん。
その二人も暮らしている海のない街に、ある日突然ペンギンが出現します。目撃した街の人たちはザワつきますが、ペンギンたちは姿を消してしまいます。
ペンギンたちはいったいどこからやってきて、どこへ行ってしまったのか。探究心旺盛なアオヤマ君は、その謎を解くべく『ペンギン・ハイウェイ』の研究に取り掛かります。
『ペンギン・ハイウェイ』の謎を解くために研究を始めるアオヤマ君は、お姉さんが投げたコーラの缶がペンギンに変身するのを目撃します。何が起こったのか…ポカンとするアオヤマ君に、笑顔のお姉さんは言います。
「この謎を解いてごらん。どうだ、君にはできるか?」
『この謎』を、お姉さんとペンギンの関係をアオヤマ君は解くことができるのか…?
キャラクター考察
本作の主人公・アオヤマ君ってどんな男の子?
とっても頭が良い小学四年生の男の子です。勉強ができるといった頭の良さではなくて(もちろん勉強もできるんだと思いますが)、将来なるべき自分を想像して今を行動できる男の子です。
意識の高さ、かなり大人びてます。
なぜペンギンが突然現れて姿を消したのかという『ペンギン・ハイウェイ』の研究も、しっかり仮説を立てて検証して考察するという…大人も真っ青の思考を持ち合わせているんです。
一歩間違えれば生意気な可愛げのない男の子になりそうなんですが…。
でもね…
憧れのお姉さんのおっぱいに興味があるんです!
うん、全然生意気じゃない!
むしろ好感が持てる!
クラスメイトのウチダ君にその件はカミングアウトしています。(それを聞いて照れるウチダ君に萌え)
ちなみにアオヤマ君の研究ノートにも『おっぱい案件』はしっかり書かれています(笑)
アオヤマ君の憧れのお姉さんってどんな女性?
明るくて優しくて料理上手(で、おっぱいも大きい)。そしてちょっと生意気なアオヤマ君に対して、とっても愛情を持って接している素敵な女性です。
声もいい感じに低音で(蒼井優さんの声)、とっても落ち着いている印象です。
アオヤマ君とチェスをする場面があるんですね。チェスの最中にアオヤマ君はついついお姉さんのおっぱいに目がいってしまうんです。仕方ないです。興味があるんだもの。
視線に気づいたお姉さんは「どこ見てるの?」みたいなことを優しく怒っている感じ(もちろん怒ってない)でアオヤマ君に言うんです。
さらっとそういうことを言える、気さくでナチュラルなところも魅力です。
僕は好きです、お姉さん。(聞いてない)
そんな僕の大好きな…いや、アオヤマ君憧れのお姉さんですが、物語が進むにつれてミステリアス感が増していくんです。
感想と考察
いやー、ちょっと予想外でした。思うてたんと違うーっ!!!って感じです。
夏休みに上映されるし、『SFファンタジー映画』みたいに言われていたので、明るくて楽しくて、そしてちょっとスリルがあって…子ども向けの映画かなと思ってました。
だって、主人公が子どもで可愛いペンギンが出てくるんですよ?実際、僕は小学1年生の娘と見に行きましたし。
が、かなりヘビーな『SFファンタジー映画』でした。
お姉さんが投げたコーラの缶がペンギンに変身したり、アオヤマ君の『おっぱいネタ』が随所に出てきたり、アオヤマ君のクラスメイトのウチダ君はドジだったり…確かに序盤は明るく楽しい映画感満載でした。(娘も笑ってたし。)
ところが、お姉さんとペンギンの関係性がアオヤマ君の研究・考察によってわかりはじめるあたりから雲行きが怪しくなってくるんです。
僕の大好きな…いや、アオヤマ君憧れのお姉さんは体調を崩しがちになるし(^^;;
そして、アオヤマ君のクラスメイトのハマモトさんが森の奥で発見した、大人がすっぽり入っちゃうくらいの大きさの、謎の透明の球体『海』の登場。
『ジャバウォック』というペンギンを捕食する変な生物の出現。
この辺りから徐々にシリアス感が加速していくんです。
謎の透明の球体『海』がまた不気味でね。
これは僕の勝手な感じ方なんですが…東日本大震災以前は海って「海は広いな大きいな」的な肯定的な存在だったと思うんです。
でも東日本大震災以降、海って不気味で怖い存在なったような。全てを飲み込んでしまうんじゃないかっていうか。
だから謎の透明の球体『海』が登場してから僕はずーっと危うい感じで見てました。
そしたらやはり物語の終盤に色々やってくれましたわ。あんまりネタバレはしたくないので(もう十分しちゃってる?)詳しくは書きませんが…。
最後ですが、アオヤマ君とお姉さんの関係性が最後の最後まで絶妙でとても良かったです!
友達以上恋人未満ってあるじゃないですか。お姉さんのアオヤマ君への接し方が『近所の子ども以上弟未満』って感じで、近すぎず遠すぎずって感じでとても心地よかったです。
この関係がずーっと続けばよかったのに…。
まとめ
映画『ペンギン・ハイウェイ』は見終わった後の爽快感は残念ながらありませんでした。
面白い!サイコー!って感じではなく、モヤモヤ感が残るというか。
だって、謎は解けてないし。解釈は観客に委ねるって感じの映画でしたね。
でも時間が経つにつれて「あぁ、なんか面白かったな」ってじわじわくるんです。もう一回見てみたいなって僕は思ってます。
子ども向けではなく、大人のSFファンタジー映画です。(断言!)
オススメしたい映画です!(これも断言!)
ちなみに第31回東京国際映画祭(2018年)で上映されるらしいですよ。
おまけ
パンフレットの内容も充実していました!
アオヤマ君の声を担当した北香那さんや、お姉さんの声を担当した蒼井優さんのインタビューはもちろんのこと、原作者の森見登美彦さんのインタビューもあり、読み応えは抜群です。
あと、アオヤマ君の『ペンギン・ハイウェイ考察ノート』と『プロジェクトアマゾンMAP』(←ペンギンの生息箇所を探すための手作り地図)が載っていてとても面白かったです。細かいところまで作り込んでるなぁ、手を抜いてないなぁって感じました。ディテールって大事ですからね。
以上、映画『ペンギン・ハイウェイ』の感想と考察でした!
最後まで読んでいただきありがとうございました!