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映画『劇場版おっさんずラブ LOVE or DEAD』【ネタバレ感想】爆笑必至!黒澤無双!コメディーでコントな映画!

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映画『劇場版おっさんずラブ LOVE or DEAD』を観てきました!

 

僕がいわゆるBL系(ボーイズラブ系)が得意ではないので(おっさんずラブがBL系なのかどうかは微妙だけど…っていうかOL系?)、ドラマ版『おっさんずラブ』は未見だし、劇場版も観るつもりはなかったんです。

 

でね、たまたま夜にテレビをつけたらドラマ版のダイジェストが放送されていて、何となく観ていたら…大爆笑しちゃって。なに、あの屋上の春田と牧と黒澤のわちゃわちゃしたシーン。春田の悪いところ10個言えるか?俺のために喧嘩しないでくれ?なんだ?このドラマは(笑)

 

黒澤の奥さん・蝶子が黒澤の浮気相手「はるたん」を突き止めて、その浮気相手は実は目の前にいる男、春田で。信じられない蝶子は春田に聞くわけですよ…「君の名は?」「はるたんです…」なんだ?このドラマは(笑)

 

なんだ?この面白いドラマは…ってことで急遽観に行った次第です。

  

では、いってみましょう。

 

 

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作品情報

公開日:2019年8月23日

監督:瑠東東一郎

脚本:徳尾浩司

音楽:河野伸

製作総指揮:早河洋

製作統括:亀山慶二

製作:西新

   市川南

   佐藤政治

   堀義貴

   細野義朗

   清水厚志

エグゼクティブプロデューサー:佐々木基

Co.エグゼクティブプロデューサー:赤津一彦

チーフプロデューサー:桑田潔

ゼネラルプロデューサー:三輪祐見子

プロデューサー:貴島彩理

        村上弓

        神馬由季

        松野千鶴子

主題歌:スキマスイッチ「Revival」

配給:東宝

上映時間:114分

 

キャスト

田中圭:春田創一

吉田鋼太郎:黒澤武蔵

林遣都:牧凌太

沢村一樹:狸穴迅

志尊淳:山田正義

内田理央:荒井ちず

眞島秀和:武川政宗

大塚寧々:西園寺蝶子

金子大地:栗林歌麻呂

伊藤修子:瀬川舞香

児嶋一哉:荒井鉄平

 

予告


「おっさんずラブ」映画版、特報映像が公開

 

あらすじ

永遠の愛を誓ったあの日から1年が過ぎ、上海・香港転勤を経て帰国した春田創一。久しぶりに戻ってきた天空不動産東京第二営業所では、黒澤武蔵をはじめ、お馴染みのメンバーが顔を揃え、最近配属された陽気な新入社員・山田ジャスティス(志尊淳)も加わり春田を歓迎する。そんな彼らの前に、天空不動産本社のプロジェクトチーム「Genius7」が突如として現れ、リーダーの狸穴迅(沢村一樹)は、本社で新たにアジアを巻き込む一大プロジェクトが発足し、東京第二営業所にもその一翼を担うよう通告する。その隣には、本社に異動しチームの一員となった牧凌太の姿も…。何も知らされておらず動揺する春田だが、本社と営業所の確執が深まるほどに、牧との心の距離も開いてゆく。一方、コンビを組むことになったジャスティスは兄のように春田を慕い、さらには黒澤もある事故がきっかけで突然“記憶喪失”に…!しかも忘れたのは春田の存在のみ。…え、どゆこと?そんな記憶喪失あんの!?混乱する春田をよそに、黒澤は“生まれて初めて”春田と出会い、その胸に電流のような恋心を走らせてしまい…。そんな中、天空不動産を揺るがす前代未聞の大事件が発生!それに巻き込まれた春田にも最大の危機が迫る。果たして、春田の運命は…!?

(出典元:映画『劇場版 おっさんずラブ』公式サイト)

 

 

映画『劇場版おっさんずラブ』ネタバレ感想

とっても好感の持てるコメディー映画

 

『おっさんずラブ』は、その名の通りおっさんたちのラブを描いたコメディーなんですが、男同士の恋愛を特別扱いしていないんです。男同士の恋愛を上手に描いている、とかそういうのではなくて、「男同士」ということをすっ飛ばして描いているのが素晴らしいと思って。

 

同性愛って、とってもセンシティブな事だと思うし、どこまで触れていいのか、触れるべきじゃないのか難しいところだと思うんだけど、本作は同性愛に関する過剰な演出もなかったし(男同士が手を繋いで歩いているのを見た人間が失笑したり、引いた眼差しを向けたり、とかね)、同性愛ということに全く触れられていなかった事にとっても好感が持てました。

 

男同士(あるいは女同士)の愛だの恋だの結婚だのをクローズアップさせることって、そこには偏見が見え隠れしていると思うんです。(最近ではカミングアウトする方も多くなってきて、徐々に偏見も少なくなっているかもしれませんが。)

 

ドラマや映画などで、同性愛は今や普通のことですよ、周りの目なんか気にする必要はないですよ、って声高に言えば言うほど逆に偏見に聞こえちゃうみたいな。

 

何が言いたいかというと、少なくとも本作劇場版では同性愛を普通の事として描いていたので(テレビ版『おっさんずラブ』では同性愛について触れられていたのかもしれないけど)、あえて演出しないところに潔さ、公平さ、成熟さを感じました。清々しい、気持ちの良い映画だなぁと。とっても好感度の高い映画でした。

 

 

 

春田・牧・黒澤の癖が強い

 

ここまでストーリーが頭に入ってこないというか、どうでもいい映画も珍しいなと(どうでもいいは失礼か)。キャラクターの面白さだけで2時間を押し通す、押し通せる稀有な映画でした。

 

僕はドラマ版はダイジェストでしか観ていないので、ガッツリと観てきた方とは感想が違うかもしれないので、そこはご容赦を。

 

春田って、めちゃくちゃテンションが高いんですね(ドラマ版を知らないからビックリ!)。序盤は春田のテンションに慣れていないせいか、そのテンションの高さがノイズになっちゃって、いまいち『おっさんずラブ』の世界に入り込めなくてノレなくて。

 

でも周りのキャラクターも濃いので、徐々に慣れて気にならなくなってくるんです。多分あれくらい高いテンションじゃないとキャラ的に埋もれちゃうんでしょうね。案外普通の奴ですからね、春田って。

 

テンション高めで若干うるさかったものの、面倒見がよくて、何でも一生懸命になるタイプで、とっても好感の持てるキャラクターでしたね。はるたん。

 

で、春田の相方の牧はね…あんまり好きになれなかったな。ちょっと感じ悪かったですねー。キチッとし過ぎてめんどくさい感じがして。

 

仕事が忙しい牧を気遣って、春田が頑張って晩御飯の唐揚げ(大失敗)を作ったのに、ありがとうのひと言も言わずに、ぐちゃぐちゃになったキッチンを見てうんざりする牧。感じ悪かったわぁ。(まあ、この辺は男と女、旦那さんと奥さん、観る人によって感じ方は違うかとは思うけど…)

 

もともとエリートだったのかな?ビッグプロジェクトを任されて燃えていたのもわかるけど、ちょっとね。仕事が忙しいときに春田のあのテンションの高さはキツイのはわかるけど…実家に帰っちゃダメ。それを乗り越えてこその真のカップルだぞ!とおじさんは言いたかった(そして自分にも言い聞かせてる)。

 

強烈な個性で、本作の全てを持っていった感のある黒澤、というか吉田鋼太郎さん。吉田鋼太郎さんというか黒澤。

 

黒澤が出てくるシーンはほぼほぼ面白かったです。スーツ姿はホントにビシッとしていてカッコいいのに春田が絡むとデレっとしちゃうギャップがたまらなくて。僕もおっさんだけど、おっさんが観てもキュートな黒澤。

 

テレビ版では最終的に春田と牧がくっつくみたいなんだけど、僕は黒澤の方がいいな。めっちゃ尽くしてくれそうで。包んでくれそうで。

 

まぁ、本作を観た限りでは牧はめんどくさそうで嫌だけど、牧のツルッとした感じは嫌いじゃないです…うーん、昼は黒澤で夜は牧?(って、ゲスいことを考えちゃう自分にがっかりッス…)

 

 

 

 

 

新キャラの狸穴(まみあな)・ジャスティスも癖が強い

 

新キャラの狸穴とジャスティス(本名は山田正義)。レギュラーおっさんに負けないほどの癖の強さでした。ホント良かった。

 

ビッグプロジェクトのリーダー狸穴。ビッグプロジェクトの裏で実は…とか、共に働く牧のことを実は…みたいに、いちいち怪しいんです。

 

で、その狸穴役を演じたのが沢村一樹さん。医者や刑事の役などをビシッと演じられるカッコいい俳優さんで(個人的には好きな俳優さん)。今回はビッグプロジェクトのリーダー役をクールにビシッと演じているし、映画的にも安定感をもたらせているんです。

 

最初から最後までクールな感じで、何も笑いを取るような演技はしていないんです。でもね、なぜか面白いんですよ、演技が。これね、狸穴を見てるとセクスィー部長を思い出しちゃうんですよ。NHKのコント番組『サラリーマンNEO』の人気キャラ・セクスィー部長を!

 


サラリーマンNEO「セクスィー部長 #5」沢村一樹&黒谷友香

 

見た目は違えど、沢村一樹さんがサラリーマンを演じたら…それも『おっさんずラブ』で演じたら、どうしてもセクスィー部長なんです。もうね、雰囲気が面白いんです。そのうち踊り出すんじゃないかと思って。

 

春田が狸穴に呼ばれてホテルの一室に行ってみると、ワイン片手にバスローブ姿でソファに座っている狸穴の姿が!っていうシーンがあるんだけど、セクスィー狸穴、セクスィー沢村一樹さんを見て勝手にツボってしまいました。

 

春田の可愛い後輩役の山田正義(ジャスティス)のノーテンキっぷりも秀逸でした。あまりにも可愛くて天真爛漫な感じなので、こいつどこかで腹黒さを出すんじゃないのかな?なんて思ってたけど、ウザくならずにずーっと可愛くて。逆に途中から男らしさを垣間見せて、めっちゃいいキャラクターでした。(烈車戦隊トッキュウジャーのライトを彷彿とさせる天真爛漫さでしたよ。トッキュウジャー懐かしい…。ちなみにトッキュウ4号は横浜流星さん。)

 

ジャスティス=志尊淳さんは明らかにおっさんではないので、うまくハマるのかなぁ…なんてちょっと心配でしたが杞憂でしたね。めちゃめちゃハマってました。

 

 

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コメディーでコントな映画

 

コメディー映画なんだけど、もはやコントでしたね。それもなかなかレベルが高くて声を出して笑っちゃうレベルのコント。

 

黒澤が階段から落ちて、なぜか春田だけの記憶が喪失してしまうというおもしろ設定や、春田とイチャイチャしているジャスティスに嫉妬してイラっとした黒澤が、思わずジャスティスの頭や脇腹をど突いたり、クライマックスの爆発シーンで意識を失った春田に人工呼吸をしようとする黒澤と牧の争いなど…コメディーっていうか完全にコント。

 

その最たるものがサウナでのシーン。

 

はじめは春田とジャスティスでサウナ室に入っていたんだけど、ジャスティスが先に出るとなぜか黒澤が入ってきて。すると次に牧が入ってきて黒澤vs牧がはじまって。今度は狸穴が入ってきて牧との関係を疑っている春田が嫉妬して。最後にジャスティスが戻ってきてまさかの半裸男子5人の大乱闘!

 

もうね、大爆笑。出来ればここだけまた観たい。どこまでがセリフでどこまでがアドリブかわからないくらいにわちゃわちゃしていて。本作最高の爆笑シーンでした。(沢村一樹さんがすっごくいい体してたなぁ…)

 


 

緊張感の欠けた?爆破シーン

 

天空不動産(春田の勤める会社)にパートナーシップを一方的に解消され、怒り心頭の鳳凰山リゾート(だっけ?うろ覚え)の連中に天空不動産会長の娘が拉致られ、助けに行った春田は逆に捕らえられ、監禁場所には時限爆弾が…っていうクライマックスに向けてのドキドキのシリアスな展開に!ってならない!

 

だって、春田と共に倉庫に監禁されている会長の娘がゆいPだし(ゆいP面白かった!)ソファにダラっとしながらお菓子食ってるし(緊張感ゼロ)仕掛けられた時限爆弾のコードをサクッと切っちゃうし(完全にコント)。

 

その後に大迫力の爆破シーンがあるんだけど、爆破前に僕的にはすでにお腹いっぱいで。時限爆弾が爆発して炎に包まれた倉庫で、春田と助けに来た牧が愛を語り合うっていう感動の?シーンも残念ながら僕には入って来なくて(死ぬまで一緒にいたい的なことを言っていたような…)。

 

爆破シーンは本作で良いアクセントにはなっていたけど、映画だから映画らしくちょっと爆破シーン入れておきますか?みたいな無理矢理感があってちょっとオマケ的に感じてしまいました…。(爆破シーンが無くても十分面白かったと思いますけどね。)

 

最後に春田と牧が爆発の炎の中から生還して大団円を迎えるんだけど、ここまで散々コントを見せてきたんだから、どうせなら最後は頭ボサボサでスーツはボロボロになって口から煙吐いてコント仕立てで生還して欲しかったなと。最後までやりきって欲しかったなと。それくらいはアリでしょ。おっさんずラブなんだから。

  

 

 

まとめ

 

おっさんたちが(ジャスティスはおっさんじゃないけど)自由気ままに弾けまくった、楽しくてコントな心地よい映画でした!

 

冒頭の香港でのシーンがラストに繋がったのは(伏線とは言えないけど)気持ち良かったし、春田と牧の関係がこじれちゃうけど最後には愛を語り合ってマルッとおさまるという展開も王道で良かったし、新キャラの狸穴とジャスティスに関してはうまくミスリードされちゃったし、黒澤の新たな恋が始まりそうな予感はハッピーな気持ちにさせられたり…などなど、意外とよく練られていて(かなり失礼な言い草だけど)、最後まで飽きずに観られました。

 

僕はドラマ版を観ていないので、感情移入度は低めですが、それでも十分楽しめたし笑えました(残念ながら感動は無かったけど…)。ドラマ版をガッツリ観てきたコアな『おっさんずラブ』ファンの方にとっては、たまらない映画だったと思います。

 

言い方に語弊があるかもしれないけど、なにも考えずに楽しめるエンターテイメント映画でした。僕はオススメしますよ!

 

(ドラマの続編があるとかないとか…)

 

 

 

それでは、最後まで読んでいただきありがとうございました!

 

ではまた。