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映画『惡の華』【ネタバレ感想】伊藤健太郎×玉城ティナ主演の変態クソムシ思春期映画!秋田汐梨の好演に注目!

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「クソムシがっ」

 

ってことで、映画『惡の華』を観てきました!

 

まさに変態思春期映画。

俳優さんたちの演技も振り切れていて、とってもムズムズして面白かったです。

  

では、いってみましょう。

 

 

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作品情報

公開日:2019年9月27日

監督:井口昇

原作:押見修造

脚本:岡田麿里

製作:松井智

   板東浩二

   小西啓介

   小畑良治

   新井重人

音楽:福田裕彦

主題歌:リーガルリリー「ハナヒカリ」

配給:ファントム・フィルム

上映時間:127分

 

キャスト

伊藤健太郎:春日高男

玉城ティナ:仲村佐和

秋田汐梨:佐伯奈々子

飯豊まりえ:常盤文

鶴見辰吾

坂井真紀

高橋和也

黒沢あすか

松本若菜

 

予告


映画『惡の華』9.27公開|本予告90秒

 

あらすじ

山に囲まれた地方都市。中学2年生の春日高男は、ボードレールの詩集「惡の華」を心の拠り所に、息苦しい日常をやり過ごしていた。ある日、憧れのクラスメイト・佐伯奈々子の体操着を衝動的に盗んだところをクラスの問題児・仲村佐和に目撃されてしまった彼は、秘密にする代わりに仲村からある“契約”を持ちかけられる。この日から仲村に支配されるようになった春日は、彼女の変態的な要求に翻弄されるうちに絶望を知り、自らのアイデンティティを崩壊させていく。やがて「惡の華」への憧れにも似た魅力を仲村に感じ始めた頃、2人は夏祭りの夜に大事件を起こしてしまう。

(出典元:映画.com)

 

 

映画『惡の華』ネタバレ感想

拗れた思春期を体現した変態シーン 

 

本作『惡の華』を「若者とは…」とか「思春期とは…」とか哲学的に語れる方もいらっしゃるかと思うけど、残念ながら僕は哲学的なものにまったく興味も知識もないので、普通に『変態思春期映画』としての感想を書いていきますね。

 

原作漫画『惡の華』を何となく読んでいたので、細かいところまでは覚えてないけどザックリとは知っているという中途半端な僕、という状態で観たんだけど、僕がいちばん観たかった思春期の鬱屈とした気持ちを体現した「変態シーン」がガッツリと描かれていて良かったです。ガッツリと、です。

 

 

 

変態シーン① 佐伯さんのブルマの匂いを嗅ぐ春日

 

学校からの帰宅途中、春日が愛読するボードレールの詩集「惡の華」を教室に忘れたことに気づき取りに戻ったら、憧れの佐伯さんの体操着袋が落ちていて、思わず体操着袋からブルマを取り出して匂いを嗅ぐという圧倒的変態シーン。(圧・倒・的!です。)

 

この春日のブルマ事件。体操着袋を嗅ぐんじゃなくて、春日はブルマを取り出して嗅ぐんです。思春期が故に…とか、魔が差して…とか、そんなものを超越した変態行為。

 

あー、春日やっちゃったね…と思いつつも、もし僕が中学生の時に春日と同じ状況になったら(憧れの女子の体操着袋が落ちていたら)、春日と同じようにブルマの匂いを嗅ぐのかどうかと自分に問うてみると…そんな変態行為を自分がするわけがない!と、断言できない自分がいたりして(まあまあヤバい文章)。

 

春日の気持ちはわからなくはないし、まぁ、さすがに体操着袋からブルマを取り出して嗅ぐことはしないと思うけど、体操着袋の上からだったら嗅ぐかもしれないなぁ…なんて遠い目をしながら思ったり思わなかったり(これもヤバい文章。ヒカナイデ…)。

 

 

 

変態シーン② 佐伯さんの体操着を中に着ているのに佐伯さんに愛の告白をする春日

 

実はこのブルマ事件を仲村が目撃していて、ここから春日は仲村のおもちゃになっていくんです…。

 

で、春日の変態シーンpart2。服の下に佐伯さんの体操着を着て、佐伯さんとデートする春日。強制的に仲村に着させられたとはいえ、この状況は変態そのもので、ムズムズしてワクワクして笑えました。(なんかね、ムズムズするんですよ。男子なら何となくわかるよね!)

 

そんな状況も変態なんだけど、そこで春日は佐伯さんに愛の告白をしちゃうあたりがもうわけがわからなくて面白くて。ありえます?目の前の人の体操着を着て、目の前の人に愛の告白するって。これね、コント、変態コント。思春期とか関係ないから(笑)

 

 

 

変態シーン③ 佐伯さん以外の女子クラスメイト全員のパンツを盗む春日

 

佐伯さんのブルマを嗅いで自分の中に眠っていた闇を解放し、仲村に弄ばれることによって変態の素質が開花し、いよいよ変態が覚醒して自らパンツ泥棒になるという成長っぷりをみせる春日。それも仲村とそりの合わない佐伯さんのパンツだけは盗まないといういやらしさ。(佐伯さんを傷つけるいやらしいセンスがゲスくて良い!)

 

でね、盗んだパンツは春日と仲村の秘密基地の中に吊るしてあるっていうオマケ付き。仲村さん、俺って変態でしょ?仲村さん、変態な俺ってどうっすか?みたいな、もはや歪んでいるとかじゃなくて、仲村の腰巾着と化していた春日の小物感、小悪党っぷりがショボくて面白くて好き。

 

パンツ泥棒事件は変態春日の集大成って感じで良かったなぁ…。

 

 

 

春日高男=伊藤健太郎

 

変態思春期を爆発させた春日を演じたのが、爽やかイケメン俳優・伊藤健太郎さん。春日の繊細さ、気の弱さ、仲村からの支配されっぷり…などなど、とっても上手に演じていてかなり良かったです。

 

良かったです、が…春日を演じるにはちょっとカッコ良過ぎでしたね。シュッとしすぎ。かといって、あまりにも原作の春日に寄せ過ぎて、普通過ぎるヴィジュアルの俳優さんだと女子は本作を観てくれなさそうだし…。

 

今回改めて思ったのは、爽やかイケメンって得よねってこと。ブルマの匂いを嗅ぐ男って、やっぱり気持ち悪いでしょ。キモっ!って思うでしょ。伊藤健太郎さんは違う。キモくないんだもん。ちょっとズルイよね(意味不明)。

 

でも、ご本人のイメージとかあるし、そういった意味ではナイスチャレンジだったとは思います。

 

あ、そうそう、仲村にブルマを履かされるシーンがあるんだけど…あれも良かった。ブルマを履くんじゃなくて、履かされるのがエロ変態でムズムズしてたまらなかったです。日本映画史上稀に見る変態シーンだったと思います。必見!

 

 

 

仲村佐和=玉城ティナ

 

仲村を演じた玉城ティナさん。僕は玉城ティナさんの演技を観るのは『Diner』に続いて2度目。 

 

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『Diner』で演じたちょっと内気で優しいオオバカナコとは真逆のキャラクターの仲村をエロっぽく魅力的に演じてました。

 

大声は出すし、目つきは怖いし、春日には馬乗りになるし、「グチョグチョ」だの「パッツンパッツン」だの少し卑猥な言葉は発するし…可愛いヴィジュアルとのギャップがホントに良かったです。なんかね、得した気分になりました(意味不明な文章)。

 

仲村が振り切ってくれないと、本作『惡の華』の拗れた世界は成立しないと思っていたので、仲村を演じた玉城ティナさんの狂気染みて振り切った演技はバッチリでした。

 

でもね、演技はバッチリだったんだけど、声がね…ちょっと高めで可愛らし過ぎるんです。もう少し声が低めだったら、1、2割迫力が増したような気がします。そこが惜しかったですね。

 

 

 

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佐伯奈々子=秋田汐梨がMVP

 

春日の憧れのクラスメイト・佐伯奈々子を演じた秋田汐梨さんが、とっても素晴らしかった!個人的には本作のMVP。

 

清楚な感じではあったけど、はじめはパッとしなくて正直あまり可愛いとは思わなかったし、役不足な感じだったんだけど、仲村に嫉妬して、奥底に眠っていた闇が吹き出してからどんどん魅力的なっていくんです。

 

春日と仲村の秘密基地に乗り込んで、春日のことが好きだから抱いてくれと言って服を脱いで、春日に馬乗りになって迫る佐伯さんがホントに色っぽくてすっげぇ可愛いの。

 

このシーンにはホント釘付け。本作最大の見せ場じゃないでしょうか。とにかく、エロい。佐伯さんが、というか演じた秋田汐梨さんがエロい。まだ16歳ですって。何この色気。ドキドキしちゃいました、40歳過ぎのおじさんが。

 

仲村に対する嫉妬や悔しさなど、思春期独特の痛々しさが描かれて、そして清楚だった佐伯さんがいよいよ闇を爆発させた良いシーンでした。秋田汐梨さんブラボー!

 

 

  

作品に広がりを見せた高校生編

 

中学生編も変態思春期が爆発して良かったんだけど、ガチャガチャし過ぎて、鬱屈さが過ぎて春日と仲村のやり取りがちょっと食傷気味になってくるんです。

 

でも高校生編で常盤さんが登場してから一気に物語に広がりが出て、メリハリが出てきてグッと面白くなってきました。

 

常盤さんてちょっと大人びているけど普通の女の子なんです。仲村とは正反対のキャラ。中学生編があまりにも強烈だったから、春日と常盤さんとのやりとりこそが真っ当な思春期の男女っていう感じで、微笑ましくてとってもいいんです。

 

原作だと、常盤さんの元カレ?みたいな男が登場してちょっとしたらいざこざがあったような気がしたけど(うろ覚え)、その辺をすっ飛ばして春日と常盤さんが突然好き合っちゃう展開は少し残念でしたね。常盤さんがだんだんと春日に惹かれていく展開が良かったのに…。

 

常盤さんを演じたのが飯豊まりえさん。すっげぇ良かった。透明感があるんですよね。そこがこの作品の淀んだ雰囲気とのギャップで、より透明感が際立ってホントに素敵なんです。透けてしまうほどの透明感。個人的に好きな女優さんだからっていうのもあるけど、インパクトのある演技はしてないんだけど、なぜか存在感があるんですよね。あと数年したら色気も出てくるだろうし…今後も期待大ですね。

  

 

 

まとめ

 

仲村の鬱屈さに影響を受けた春日の内なる鬱屈さが爆発して、その鬱屈さが飛び火して佐伯さんまで爆発して…と、ちょっと歪んだ思春期をみんなで爆発させたという快作でした。

 

ブルマの匂いを嗅いだり、秘密基地に火を点けたり、祭りのヤグラの上で自死しようとしたり…もちろん全肯定は出来ないけど、全否定も出来なくて。僕みたいなおじさんからしたら、例え歪んでいたとしても、思春期を迎えた若者たちのバイタリティーは羨ましくもあり、ちょっと元気をもらえるんです。

 

思春期の頃って、異性を気にしたり、好きな人が出来たり、体つきも変わったり、全てが嫌になったりすることもあるけど、本作『惡の華』の春日や仲村や佐伯さんのように拗らせちゃってやらかしちゃっても、そんな事は大人になったら笑い話で大したことないんですよね。やらかしてナンボの思春期でしょ。

 

あぁ、中学生に戻りたいなぁ…いや、高校受験はしたくないから(微妙にリアル)、高校生に戻りたいなぁなんて思わせてくれる映画でした。

 

PG-12なので、中高生は友人たちと観られるので、刺激的ではあるけど僕は思い切ってオススメしたいと思います。変態だっていいじゃない!思春期なんて拗らせちゃえばいいじゃない!大丈夫。大人になったら笑い話だぜ!

 

 

 

それでは、最後まで読んでいただきありがとうございました!

 

ではまた。