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映画『AI崩壊』【ネタバレ感想】大沢たかお主演!AIっぽさが不足していた惜しいSFサスペンス映画。

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映画『AI崩壊』を観てきました!

 

思ってたんと違うぅー!と叫びたくなる映画でした…。(まぁ、僕が勝手にイメージしていた内容と本作の内容が違っていただけなので、誰も悪くないし、誰を責めるわけでもありませんが…。)

 

では、いってみましょう。

 

 

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作品情報

公開日:2020年1月31日

監督:入江悠

脚本:入江悠

主題歌:AI「僕らを待つ場所」

配給:ワーナー・ブラザース映画

上映時間:131分

 

キャスト

大沢たかお:桐生浩介

賀来賢人:西村悟

広瀬アリス:奥瀬久未

岩田剛典:桜庭誠

高嶋政宏:望月剣

芦名星:林原舞花

玉城ティナ:飯田眞子

余貴美子:田中英子

松嶋菜々子:桐生望

三浦友和:合田京一

田牧そら:桐生心

野間口徹

マギー

黒田大輔

酒向芳

毎熊克哉

MEGUMI

坂田聡

芦那すみれ

螢雪次朗

萩野友里

川瀬陽太

 

予告


映画『AI崩壊』本予告 2020年1月31日(金)公開

 

あらすじ

2030年、天才科学者の桐生浩介が亡き妻のために開発した医療AI「のぞみ」は、年齢、年収、家族構成、病歴、犯罪歴といった全国民の個人情報と健康を管理していた。いまや社会インフラとして欠かせない存在となった「のぞみ」だったが、ある時突然、暴走を開始。AIが生きる価値のない人間を選別して殺戮するという、恐るべき事態が巻き起こる。警察庁の天才捜査官・桜庭は、AIを暴走させたのは開発者である桐生と断定。身に覚えのない桐生は逃亡を開始する。桐生は「のぞみ」を管理するHOPE社の代表で、義弟でもある西村悟とひそかに連絡を取りながら、なんとか事態の収拾を目指すが……。

(出典元:映画.com)

 

 

映画『AI崩壊』ネタバレ感想

AI(人工知能)をAIっぽく描いて欲しかった

 

『AI崩壊』という作品名と「その日、AIが命の選別を始めた。」というキャッチコピーの組み合わせ。なので、AIが崩壊して(暴走して)人間の命を奪うという、AIが人間に牙を剥く的な恐怖がメインに描かれると(勝手に)思っていたんだけど…ちょっと違いましてね。

 

主人公・桐生浩介の逃亡劇娘の心ちゃん救出劇がメインでしてね(だと僕は思っている)

 

いや、いいんですよ、ハラハラドキドキな展開。まさにエンタメ映画!って感じで。ツッコミどころ満載ではあったものの逃亡劇は面白かったし、命の選別をする医療AI<のぞみ>は不気味だったし、心ちゃん救出劇は手に汗握ったし。

 

でもね、AIをAIっぽくもう少し上手に描いて欲しかったなぁ…なんて(偉そうに)

 

AIが何者かにハッキングされてプログラムを弄られる→AIが暴走する…という流れって、ちょっと捻りがないというか有りがちというかどこかで見たことがあるような展開というか。

 

AIって人工知能なんだから、人工の知能なんだから、外部からのアクションで暴走するよりは、AIが自らの意思で暴走して欲しかったなと。その方がより怖くてシリアスな展開になったような気が。何となくAIの暴走というより医療システムの誤作動のように見えてしまってね。

 

自発的では無いにせよ過去の事象を学習して人間の命を選別するくだりはAIっぽくて怖かったし良かったのよ(不謹慎だけどワクワクしたのよ)。でもね、命の選別をしただけで終わってしまったのがちょっと中途半端で残念無念。生きるべき人、死ぬべき人を選別した後はどうするの?選別された人たちがAIに殺戮されるところまで描いて欲しかった…(不謹慎な文章)

 

本作で描かれていたように、病院で投薬中の患者さんやペースメーカーを付けている人たちがAIの暴走の影響を受けて命を奪われるのはわかる。AIと繋がっているから。

 

でも、病院にお世話になっていない僕みたいな健康優良不良おじさんの命はどうやって奪われるのか。そのあたりが少しでも描かれていたら、自分ごとのように感じられてもっとリアリティーが出て良かったのにな、と。AIの暴走というより、単に医療にAIを導入したら危ないな、怖いなっていうだけの印象になっちゃったんだよなぁ…。

 

過去に『2001年宇宙の旅』のHAL9000『ブレードランナー』のレプリカントを観て、現在は仮面ライダーゼロワン(←人間とAIの物語)を毎週欠かさず観ている大きなお友達の僕としては、自我が芽生えたAIが反乱を起こしたり、シンギュラリティ(技術的特異点)に到達したAIと人間の関係性の変化とか、ついついAIの描き方に注視しちゃう。ついつい劇的なAIに期待しちゃう。だからこそ…AIの描き方がちょっと物足りなかったな(偉そうにごめんなさい)

 

せめてラストでAIっぽさを見せてくれたら2段階くらい評価は上がったんだけど…(何段階評価か知らんけど)。ハッキングされて暴走したと思われていたけど、実はハッキングされてなくて全ては<のぞみ>の意思で暴走していたことが判明した…とか、サーバールームのロックが解除できない!もうダメだ!心ちゃんが死んじゃう!って時に<のぞみ>の意思でロックが解除されたり…とか。オチで人工知能らしさが見られたら良かったのになぁ。

 

 

  

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面白かったけどツッコミどころ満載

 

AIの描き方に関しては僕の勝手な思い込みやら思い入れやらが強かったので不満ではあったけど、全体的には面白かった…とは思います(微妙な雰囲気を感じ取って)

 

医療AI<のぞみ>を格納しているサーバールームはそれっぽい感じが出ていて良かったし、警察のAI<百眼(ひゃくめ)>が防犯カメラだけじゃなく人が使っているスマホなどのデバイスをハッキングして防犯カメラとして桐生の姿を追うシーンは面白かったし、追跡ドローンが小型で虫みたいで可愛くて良かったし(欲しいと思ったし)、桐生と奥様の望と娘の心(幼少期)の3人のシーンは微笑ましくて感動したし、<のぞみ>のカメラアイのアップシーンは不気味さ満点で『2001年宇宙の旅』のHAL9000へのオマージュが込められて良かったし、ラストの心ちゃん救出劇はドキドキしたし…見どころはかなりたくさんありました。

 

が、ですよ。ツッコミどころも負けず劣らずたくさんありましてね。

 

さすがにこれはアカンやろぉ〜って思ったのは、逃亡中の桐生が数年前に廃校になった大学の研究室(←昔桐生が所属していた)へ行く→電源が普通に使える→<のぞみ>のプロトタイプのデータがまだ残っている→それを元に<のぞみ>の暴走を止めるプログラムを作ろうとしたシーン。

 

いやいやいや、数年前に廃校になった大学の研究室の電源がいまだに使えることなんて…ある?さらに大事な研究成果である<のぞみ>のプロトタイプデータがまだ研究室に残ってることなんて…ある?研究データを消去しないで研究室を去るなんて、研究者として失格でしょ。これは看過できないご都合主義シーンで、ちょっと冷めちゃって苦笑。

 

警察から逃れるために桐生がフェリーから海に飛び込む→小さな漁船に助けられる→着替えを貸りる→車を譲り受ける→逃亡する…というあまりにも万全な救助劇過ぎて、これまた苦笑。

 

娘の心ちゃんがサーバールームに家族写真を落とす→大勢の職員がサーバールームに入って写真を探す…というくだりも、セキュリティが緩過ぎやしないかい?って疑問に思って苦笑。

 

 

 

ドラマ化希望(まとめ)

 

それなりには面白かったんだけどツッコミどころも多かったという本作。もっと丁寧にAIが描かれていれば、もっと丁寧に登場人物が描かれていれば(特に桜庭がなぜあんな思想を持ってしまったのか、という根本的な理由を知りたかった!)、もっともっともっと面白くなったんだろうなぁって思ったり(惜しいっ!)

 

桜庭をはじめ、部下の林原や昔ながらのべらんめえ刑事といった感じの合田や今どきテイストの奥瀬など、魅力的な登場人物も多かったんだよなぁ…。

 

本作の盛りだくさんな内容を丁寧に描くとなると、131分(本作の上映時間)では絶対に足りないと思うし、そういう意味では、映画よりWOWOWとかNetflixで連ドラでやった方が面白いかもなぁって個人的には思います。映画の尺では厳しかったような気がするなぁ…。ドラマ化希望。

 

AIに対しての先入観を持ってなかったり、ご都合主義シーンなんて全然気にしない!へっちゃらさ!って方にはオススメ出来る作品だと思います。

 

あ、そうそう。

『ダイナー』のオオバカナコや『惡の華』の仲村さんのような濃ゆい役ではなくて、普通の女性役の玉城ティナさんが見られて良かったです。

 

おしまい。

 

 

 

映画『AI崩壊』をもっと詳しく知りたい方へ

 

お前の感想じゃよくわからん!と、不満をお待ちの方に朗報。

 

映画紹介サイト『MIHOシネマ』さんで、映画『AI崩壊』が詳しく紹介されているので、本作をもっと詳しく知りたい方はこちらをどうぞ。

 

mihocinema.com