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映画『テッド・バンディ』【ネタバレ感想】シリアルキラーの語源となった凶悪殺人鬼をザック・エフロンが好演!

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映画『テッド・バンディ』を観てきました!

 

善人?悪人?

 

いや、完全に悪人なんだけど、スーパー悪人なんだけど…テッド・バンディ(というかザック・エフロン?)があまりにも魅力的なので善人なのか悪人なのかわからなくなっちゃうという…。

 

良き作品でした。

 

では、いってみましょう。

 

 

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作品情報

公開日:2019年12月20日

監督:ジョー・バーリンジャー

製作:マイケル・コスティガン

   ニコラス・シャルティエ

   ジョー・バーリンジャー

   アラ・ケシシアン

   マイケル・シムキン

製作総指揮:ザック・エフロン

      マイケル・ワーウィー

      ジョナサン・デクター

      ジェイソン・バレット

原作:エリザベス・クレプファー

脚本:マイケル・ワーウィー

制作国:アメリカ

上映時間:109分

配給:ファントム・フィルム

 

 

キャスト

ザック・エフロン:テッド・バンディ

リリー・コリンズ:エリザベス・クレプファー

カヤ・スコデラーリオ:キャロル・アン・ブーン

ジョン・マルコビッチ:エドワード・コハート判事

ジェームズ・ヘットフィールド:ボブ・ヘイワード巡査

ジェフリー・ドノバン

アンジェラ・サラフィアン

ディラン・ベイカー

ブライアン・ジェラティ

ハーレイ・ジョエル・オスメント

ジム・パーソンズ

 

 

予告

www.youtube.com

 

  

あらすじ

1969年、ワシントン州シアトル。とあるバーで出会い恋に落ちたテッド・バンディとシングルマザーのリズは、リズの幼い娘モリーとともに3人で幸福な家庭生活を築いていた。しかし、ある時、信号無視で警官に止められたテッドは、車の後部座席に積んであった疑わしい道具袋の存在から、誘拐未遂事件の容疑で逮捕されてしまう。また、その前年にも女性の誘拐事件が起きており、目撃された犯人らしき男はテッドと同じフォルクスワーゲンに乗り、その似顔絵はテッドの顔に酷似していた。

(出典元:映画.com)

 

 

映画『テッド・バンディ』ネタバレ感想

テッド・バンディ

 

テッド・バンディとはいったいどんな犯罪者だったのか。そして、世間にどのような影響を与えたのか。

 

  • IQ160の頭脳の持ち主
  • シリアルキラーの語源になった殺人鬼
  • 30人以上の女性を惨殺(もっと多いとの説も)
  • 知的で男前
  • 刑務所にファンレターが届く
  • 2度脱獄
  • 獄中結婚
  • アメリカで初めて全国テレビ放送された裁判
  • 自らが自分の弁護人となった
  • 3度の死刑判決
  • 死刑執行がライブ中継された

 

あまりにも強烈過ぎて、フィクションの世界の人間のように思えるけど、残念ながら現実の世界にいたシリアルキラー

 

 

 

魅力的なテッド・バンディに惑う

 

本作の何が良かったのかと言うと、テッド・バンディが圧倒的に魅力的に描かれていたということ。これに尽きる。

 

シリアルキラーなのに、人間としてはクズなのに(オクチガワルイ!)、なぜテッド・バンディが魅力的なのか、魅力的に描かれていたのか。それは、本作は恋人リズの視点から描かれた作品だから。リズはテッドの表の顔=優しくて知的でクールなナイスガイテッドしか知らないわけだから、魅力的に描かれて当然と言えば当然。

 

テッドの視点から、あるいは刑事たちの視点から描かれた作品であれば、テッドの犯行手口や犯行シーン、血生臭い犯行現場がたっぷりと大画面に映し出されるという、ありきたりな作品になってしまうところ。

 

でも、リズの視点から描くことによって、魅力的なテッドを描くことによって、彼の二面性が浮き彫りになり、テッドの恐ろしさや不気味さが増し増しになるわけで。テッドがシリアルキラーだったことは事実なので、ナイスガイなテッドがいつか女性に牙を剥くんじゃないかと、凶行に及ぶんじゃないかと、緊張感が漂うわけで。

 

でね、そのテッドの描き方がホントに秀逸。恋人のリズと過ごした日々はラブストーリーのようだったし、リズの娘との関係性は本当の親子のようだったし、刑務所の中にいてもリズを想う気持ちは本当の愛のようだったし、裁判で自分を弁護する堂々とした姿は冤罪を晴らすヒーローのようだったし。

 

男前な上に優しくて知的でクール。彼の中に潜んでいる恐るべき狂気なんて全く感じさせない。30人以上の女性を殺害している恐るべきシリアルキラーの彼に心を許してしまう女性の気持ちが残念ながらわかってしまう

 

あまりにもテッドが魅力的に描かれるているから、彼を見ていくうちに、あれ?彼は本当に女性たちを殺したのか?本当にシリアルキラーだったのか?(いや実際シリアルキラーだったんだけど)って疑い始めちゃったり。もしかしたら冤罪じゃね?って思い始めちゃったりするんだこれが。(自信満々の姿を見ると、二重人格者だったのかな?とかも思ったりして…。)

 

 

 

同情の余地は、ない

 

テッドは幼少期に実は親から虐待を受けていたとか(実際にあったのかどうかは知らんけど)、テッドは学生の頃に実はいじめられていたとか(実際にあったのかどうかは知らんけど)、テッドがなぜシリアルキラーになってしまったのかという過去や背景を全く描かなかったのには好感が持てた。

 

だって、テッドの過去を描いてしまうと、凶悪な犯罪者もみんな昔子供だってねぇ〜by イエモンよろしく、そこに同情やらが生まれてしまって、彼の人生に変な深みを与えてしまう可能性がある。30人以上の女性を殺害しといて、さらに裁判で自らが弁護人となって無罪を主張するようなシリアルキラーに、人生の深みなんて必要無いでしょ。

 

彼の過去を描かなかったことによって、テッドの薄っぺらさが強調された演出は良かった。魅力的な男に見えて実は薄っぺらい。彼はただ女性を殺したかった。理由など無い。同情の余地は無い。

 

 

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テッドvsリズ

 

クライマックスでテッドと面会するリズが、あんたが犯人なんでしょ?私も殺そうとしたの?と、テッドに問い詰めるシーンも緊迫感があって良かった。息を飲むシーンとはこのこと。

 

で、それにテッドはなんと答えたかって?それはご自分の目で確かめていただきたい。今まではリズの視点から描かれていたけど、この場面はテッドの視点で描かれる。殺したのか、殺してないのか…。

 

そして、さらにリズから衝撃の一言が。テッドが逮捕されて沈んだ毎日を過ごしていたリズ。それはテッドを愛しているから…という理由だけじゃなかったんです。で、他の理由は何だって?それはご自分の目で確かめていただきたい(2度目)。

 

 

 

エンドロール

 

エンドロールでは生前のテッド・バンディの実際の映像が流れるんだけど、彼の自信に満ち満ちた表情や、彼がマスコミの前で警察官に突っかかる場面が流れたりしてね。自分で自分を弁護するというような劇場型の凶悪犯罪者だったんだなぁってこともわかるんです。本作は作品としてはフィクションだから、どこまでが本当のことなのかはわからないけど、かなり事実に忠実に作られてるような気もしました。

 

さらに、エンドロールの最後に、テッド・バンディに殺害された方の名前が流れるんだけど、僕は怖かったな。サブイボが立ったな。こんなにも多くの女性が殺害されたなんて…ショックと同時に一気に現実の世界に引き戻された感じで。30人以上の女性が殺害されたと言われているけど、被害者の数は実はもっと多いとも言われているらしいし…。

 

エンドロールでこんなに辛い気持ちにさせられるのは初めて。もう二度とこんな惨劇は起こらないで欲しいと切に願います

 

 

 

まとめ 

シリアルキラーとしてのテッド・バンディを描かずに(正確にいうとワンシーンあるけど)、恋人リズの視点からテッド・バンディを思いっきり魅力的に描くことによって彼の不気味さを際立たせる演出はとっても良かった。表と裏の顔のギャップをより大きくを描くことによって、本当のテッド(シリアルキラーとしてのテッド)はどれほどの凶悪な人間だったのかと想像を掻き立てられて、より恐怖を感じるという。ホント素晴らしい演出でしたよ(なぜか上から目線で)。

 

そのテッド・バンディを演じたザック・エフロンがこれまた素晴らしくて。僕はザック・エフロンを存じ上げなかったんだけど(『グレイテスト・ショーマン』に出演していたらしいですね…はい、未見です。)、爽やかさと不気味さを同居させた演技がホントに良かった。うまく言えないんだけど、表情は素敵なのに目の奥が病んでいる、みたいな(わかりにくくて申し訳ない)。演技とはちょっとズレるけど、ザック・エフロンのマッチョな体がまたエロくてセクスィーで良かった。

 

でね、この作品は女性たちへの警鐘でもあるような気がしています。好青年だからといって安易に心を許してはダメですよと。裏の顔があるかもしれないですよと。

 

その男は殺人鬼かもしれないですよと

 

偶然にも僕のブログに辿り着いてくれたそこのあなたはラッキー。テッド・バンディの存在を知ることができたから。明日、竹内涼真似の爽やかイケメンに声を掛けられても心を許してはダメですよ(ゼッタイニダメ!!)。明日、菅田将暉似のちょっとヤンチャなオシャレ男子に声を掛けられてもついて行ってはダメですよ(ゼッタイニダメ!!)。

 

殺人鬼は殺人鬼の顔をしていないんですよ…。

 

 

 

それでは、最後まで読んでいただきありがとうございました!

 

ではまた。